週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」【質問61】
2007年9月21日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。 先週まとめの学習をした「位置表象」領域の問題で、入試によく出される問題とその対策についてアドバイスをお願いします。
位置表象領域の問題も、未測量と同じように入試問題としてそれほどたくさん出されるわけではありません。しかし、出題されるとかなり難しい問題になります。位置表象領域のポイントは、左右関係の理解に絡む問題をどれほど正確に解けるかどうかにあります。単純な「右手左手」に関する問題から始まって、「方眼上の位置および移動」・「四方からの観察」・「地図上の移動」など、左右関係が問われる問題が数多くあります。そして、それらを正確に解く力が求められています。左右関係は、立場を変えてみると逆になるという関係でもあるため、上下や前後関係の理解と比べて難しい課題となります。では、どんな点に注意したらよいのか、左右関係が絡む問題について箇条書きにしてみましょう。
- 左右関係の理解:
右手左手だけでなく、右足左足等も理解できるようにする。 - 方眼上の位置および移動:
移動のときの数え方を間違わないようにする。止まっているところを1に数えない。 - 四方からの観察:
選択肢から選ぶだけでなく、ものの見え方を自分で実際に描いてみる。その際具体物だけでなく、つみ木のような半具体物も描いてみる。 - 地図上の移動:
一本道の曲がり方と、交差点がいくつもある地図上を動く課題の2つを練習する。
この中でも子どもたちにとって苦手なのは、「地図上の移動」だと思います。地図上の移動については、問いかけの仕方がいくつかあり、それで難易度が決まる場合があります。
- 地図を見ながら話が聞けるのか、それとも地図は隠された状態で話を聞かなくてはならないのか
- お話を聞きながらすぐに動けるのか、最後まで話を聞いてから動くものなのか
1 と 2 の組み合わせによって問題が作られますが、最近は話の内容理解の中で地図上の移動が問われますので、子どもたちにとっては大変です。その場合は地図が隠されていて、なおかつ話が終わってからしか移動できないので、難易度は高まります。いろいろな組み合わせで練習してください。
最後に、位置表象領域のチェックポイントを掲げますので、入試前に一度試してみてください。
- 生活空間での位置が理解でき、位置を正しく言語化できる
- 上下・前後・左右関係の相対化・系列化ができる
- 方眼上の位置の対応ができる
- 自分だけでなく、他人の右手左手、右足左足が理解できる
- 指示された方眼上のひとつの位置を探したり、言語化することができる
- 方眼上を指示通り移動することができる
- 3×3方眼上におかれた4つのものの位置を記憶できる
- 地図上の移動ができる
- 四方からの観察において、自分で反対からの見え方を描きあらわすことができる