ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問51】

2007年8月17日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 合不合判定テストや学校別模擬テストの結果を見ると、家でやればできる問題も間違えてしまい、点が取れません。学習の方法に問題があるのか、アドバイスをお願いします。

 家庭での学習で理解できていると思っても、実際のテストで点が取れないということはよくある相談のひとつです。原因はいろいろ考えられますが、実際どのような間違いをしたのかを見なければ、適切な助言はできません。しかし、これまでの経験から、典型となる原因をいくつか挙げて見ましょう。

  1. 聞き取りがうまくできず、どのように答えたら良いのかがわからなかった
  2. ペーパーを見て予想した質問内容と、実際の質問が異なっていたためあわててしまった
  3. 時間制限によって、解っている問題も手がつけられなかった
  4. 周りの子どもたちの影響で、自分の答えに自信を持てず、混乱してしまった
  5. 心理的なプレッシャーで、易しい問題をかえって難しくとらえてしまった
  6. 前の問題ができなかったことが気になって、次の問題が平常心で聞けなかった
  7. 見たことのあるペーパーでも、いつもと違う問いかけであったため混乱してしまった

 小学校の入試は、ペーパーテストで典型的に見られるように、自分で問題を読んで解くのではなく、1回の質問や指示を聞き取って取り組まなければならず、その聞き取りが十分にできないと答えようにも答えられません。言い回しが難しく、質問の意図が理解できないということももちろんありますが、ほとんどの基礎学習が終わっているこの時点では、質問の意図が理解できないということより、心理的な影響で聞けなかったり、勘違いしたりすることのほうが多く見られます。特に、よく学習している子に限って、上記「2」や「5」のような間違いを犯すことが多く見られます。特に、優秀であればあるほど 「6」のように、できなかったことに対する動揺で次の問題が十分聞き取れなかったということは良く見受けられます。

 家庭学習の場と、テストの場とでは雰囲気も違いますし、大勢で行うテストにおいては心理的プレッシャーも相当かかります。そうした場の違いを含めて、できなかった理由を明らかにし、その対策をとらなくてはなりません。また、もうひとつ大事な点は、家庭でわかっていると思っていることが、果たして本当にわかっているのかどうかを一度疑い、違った方法で点検してみる必要はあります。丸がもらえたから良いのではなく、どのように理解しているかを点検することです。そのためには、問題の意図や答えにいたる考え方を言葉で説明させることです。その点があいまいなままであると、問いかけの仕方によってできたりできなかったりと・・・不安定な結果を残すことになります。家庭学習の方法に問題があるとすれば、本当に理解していないのに丸をもらえてしまったことを見逃してしまうところにあるように思います。説明させることによって、本当に理解できているかどうかを点検してみる必要があります。

PAGE TOP