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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問50】

2007年8月3日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 先週のコラムで、逆から問うことで問題を難しくしているという記述がありましたが、具体的にどのようなことか、教えてください。

 入試問題を分析していくと、同じ問題でありながら、質問の形式がいろいろ工夫されていることに気づきます。実際に子どもたちに解かせてみると、確かに同じ問題でありながら質問の仕方が違うだけで、正解率が違ってくることがわかります。
 たとえば、年中クラスや年長クラスの最初のころに学習する一対一対応の問題において、「どちらがいくつ多いですか」と質問すればできる問題でも、「どちらがいくつ少ないですか」と聞いたり、「違いはいくつですか」と問いかけると、答えられないこともしばしばありました。この場合は、言葉に対する慣れの問題もありますが、問いかける視点が変わることによって、難しくなる問題もあります。私たちが「逆思考」が必要だとしている難しい問題を、思いつくままに列挙してみましょう。

  1. しりとりにおいて、前に戻ってカードを並べる「逆しりとり」
  2. 方眼上の位置移動において、到達点から逆に戻って、スタートの位置を探す問題
  3. 時間的経過の中で変化する数の問題で、途中の数が抜けてしまい結果からさかのぼって抜けた数を考える問題
  4. シーソーのつりあいにおいて、重いほうから軽いほうをたずねるのではなく、軽いほうから重いほうを尋ねる問題
  5. 魔法の箱において、法則性を理解し、箱の中に入れた数がいくつになって出てくるかではなく、箱から出てきた数を見て、箱に入れた数を考える問題
  6. 残ったジュースの量を見て、飲んだジュースの量を系列化する逆対応の問題

 まだまだいろいろありますが、もともと「逆思考」は、元に戻したり、視点を変えて物事を発想する「可逆的思考」の根幹を成すものです。出題する学校側が、そうした点を考えて問題を作成しているかどうかはわかりませんが、少なくとも小学校低学年の子どもたちの様子も踏まえながら、よく研究して問題を作っていると思います。

 こうした入試傾向を踏まえ、大きいほうから見たら小さいほうから見てみるとか、右から見たら左から見てみるとか、私たちはあらゆる課題において、逆から問うことを意識した授業を日頃から行っています。そうしたことの積み重ねが、視点を変えて物事を見たり、逆から見たりする発想を育てることにつながっていくのだと思います。家庭学習においても、過去問を練習する場合、「この問題が逆から問われたらどうなるのだろう」と考えながら、質問を工夫されると良いと思います。

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