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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問44】

2007年7月13日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 シーソーにおける「つりあい」の問題がまだ十分理解できていないようです。つりあい学習のポイントを教えてください。

 つりあいの課題はシーソーを使って行いますが、三者関係や四者関係の推理と違って、解き方の基本は数における一対多対応の考え方を応用することです。ただし、AとB、BとCの関係からAとCの関係を考える場合に必要とされる「AをBに置き換える」という発想は、一対多対応の考え方ではありませんので、そのためのトレーニングが必要になります。

 ところで、つりあいの典型的な問題は、以下のような問題です。
りんご1個とバナナ2本がつりあっているシーソーと、バナナ1本と栗3個がつりあっているシーソーがある

(イ)片方にりんごが2個乗っているとき、反対側にバナナを何本乗せたらよいか丸を書く
(ロ)片方に栗6個が乗っている時、反対側にバナナを何本乗せたらよいか丸を書く
(ハ)片方にバナナ6本が乗っている時、反対側にりんごを何個乗せたらよいか丸を書く
(ニ)片方にりんごが2個乗っている時、反対側に栗を何個乗せたらよいか丸を書く

 この問題はある小学校で実際に出された問題ですが、大変よく考えられています。(イ)は一対二対応の考え方を応用する基本問題ですが、(ロ)と(ハ)は、包含除の考え方を使うものです。りんごの数からバナナの数を聞くのではなく、バナナの数からりんごの数を聞いたり、また、バナナの数から栗の数を聞くのではなく、栗の数からバナナの数を聞く問題は、私たちの指導経験でも子どもたちが間違えやすい質問の仕方です。そのことをよく知った上での設問だとすると、子どもの発達を良く知った人たちが作った問題だと思います。

 そして、最後の(ニ)の問題こそ、「つりあい」が難しいとされる典型的な問題です。りんごと栗の関係を、バナナを仲立ちとして考えるという2段階思考の問題ですが、学習当初、子どもたちは「どこにも約束していないから出来ない」というきわめて当然な疑問を持つのです。しかし、集団での学習において、「できない」というグループに混じって、「できる」という子も何人か現れます。その子の説明に耳を傾け、真剣に考えはじめると、最初はできないといっていた子も、次第にりんご2個をバナナに置き換え、その上でバナナと栗の関係を考え始めるのです。あるものを他のものに置き換えるという発想がどう身につくかという点が、つりあい問題のキーポイントです。つりあい以外にも最近の入試でよく出される「交換」の問題も、まったく同じ趣旨の問題です。

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