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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問43】

2007年7月13日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 夏休みが受験生にとっては最大の山場だということはよくわかりますが、一方で夏休みにがんばりすぎてしまうと、その反動が9月ごろに出てくるということもよく聞きます。それは具体的にはどんなことでしょうか。

 入試直前になって起こる子どもの変化の中で、深刻なのは、学習する意欲をなくしてしまうことと、チック症状をはじめとする体調の変化です。夜泣きをしたり、お手洗いが近くなったりするという症状を訴えることが一番多いのが9月です。それには2つの大きな理由が考えられます。一つは夏の反動です。夏休みに勉強を中心とした生活を送りすぎてしまい、勉強することに興味をもてなくなってしまうケースです。そしてもうひとつは、出来不出来に敏感になりすぎ、相当のプレッシャーが子ども自身にかかりすぎてしまう結果起こることです。前者は集中力の低下につながり、後者は体調の変化をもたらす大きな原因になります。

 こうしたことが起こりうることを考え、夏休みの過ごし方を工夫しなくてはなりません。

  1. 勉強漬けの毎日にならないよう、学習と遊びのけじめをしっかりつけ、メリハリのきいた生活を送ること
  2. 学習する中身をよく吟味すること。やさしくしすぎても、難しくしすぎてもいけない。ちょっと背伸びすれば解決可能な問題を厳選する
  3. 特によく出来るお子さんについては、問題が難しい時や制限時間が短い時は、全部出来ないこともありうるということを伝えておく

 9月は、ご両親が願書書きで忙しくなる時期でもあり、また模擬テストの結果がたくさん返ってくる時期でもあります。子ども自身よりもお母さん自身があせりを感じ、その結果、子どもとの関係が悪くなる時期でもあります。一方で子ども自身は周りの動きを敏感に察知し、直接お母さんから聞かなくても、周りの雰囲気で入試が近いことを感じ取り、子どもなりに緊張する時期でもあります。ですからこの時期に、不安定な精神状況におかれることがないよう、母子関係に一層の配慮が必要です。

 9月にはいってから起こる「夏休みの反動」をなくし、入試まで意欲を持ち続けるには、夏休みを勉強一本の生活にしてはいけません。お父さんが夏期休暇を取れる時には、家族全員で楽しむだけのゆとりが必要です。またそうした夏の経験が、面接や願書書きに生かされることもたくさんあります。

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