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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問39】

2007年6月29日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 雙葉小学校を第一志望にしているものです。学力については、テストでの偏差値が60以上ないと難しいと聞きますが、本当でしょうか。また、夏休みの学習対策についてアドバイスをお願いします。

 毎年15名前後の合格者を出しているこぐま会では、合格者の1年間のテストでの成績を分析し、どのくらいの成績を収めていれば合格できるか、判断をしています。中学校以降の入試と違って、小学校の入試は、単に学力だけで決まるわけではありませんから、どのくらいの偏差値を取れば、合格可能性80パーセント以上というような予測は大変難しいものがあります。難しいということを前提に分析してみると、合格者の1年間の平均偏差値は58~62ぐらい必要です。ただ、個別に見れば平均偏差値が54ぐらいで合格しているケースもあります。それが小学校入試の現状だろうと思います。しかし、50以下で合格している子はほとんどいません。また64以上だからといって必ずしも合格しているわけではありません。合否判定の基準については、内部の方でなければわかりませんが、毎年変化していることはありうることだと思います。関係者枠と一般枠という区別があるのかどうかもわかりませんが、私学ですから、学校独自の基準があると考えたほうが現実的だと思います。関係者が強かったと思われる年と、実力主義で判定したのではないかと思われる年があるのは、学内事情がそうさせているのだと考えるのが妥当ではないかと思います。いずれにしても、合格者のテスト履歴を追跡すると、偏差値は60以上欲しいと思いますが、60以上あれば合格できるという保証はどこにもありません。これが小学校入試の現実なのです。

 ところで夏休みの学習対策ですが、1日目のペーパーテストで80パーセント以上の得点がないと難しいと思います。そのため、夏休みはスピードトレーニングを含め、ペーパー学習を重点的に行わなくてはなりません。ただ、量をこなせば良いというのではなく、思考力の質が問われます。そのために厳選された問題をトレーニングしなくてはなりませんが、そのキーワードは「論理性」ということです。論理的な思考力がいたるところで求められていますので、その対策をとらなくてはなりません。こぐま会ではその対策のために「論理的思考力育成講座」を夏休みから開き、その対策をとっています。小学校高学年で文章題として出される、旅人算や植木算、消去算といった考え方の基礎を、幼児の生活やゲーム化した課題の中でトレーニングすることが必要です。

 合格した多くの方々のアンケートを読むと、ひとりでとっくんシリーズの「ゲームブック」を4~5回やって臨んだという方が毎年大勢います。ゲームのルールを理解して初めてできる課題ですから、問題を見て自分でわかってしまうものではなく、説明を聞き理解して初めて取り組むことができるという点が、雙葉の工夫された問題、つまり子どもにとって初めての問題に対処するにはとてもいいトレーニングになるということでしょうか。

 数と図形と言語が中心ですが、どれも機械的な過去問トレーニングで解決できるものではなく、筋道立てて考える力の育成が必要です。ところで、雙葉合格にむけた入試対策として、はっきりしていることがいくつかあります。

  1. 過去出された問題は同じ形で出されることはまずない
  2. 一対多対応の考え方を応用した問題が多い
  3. 条件をつけたり、逆から問う問題が多い
  4. 全体として、難しい問題が多い中にあって、易しい常識問題が良く出される。ここで得点できないと致命傷になる
  5. 図形課題は、図形分割が要注意
  6. 話の内容理解は、言葉に対する敏感さが求められており、時系列をはじめとして、論理性が必要とされる

 こうしたことを踏まえ、家庭学習の時間をしっかり確保し、地道に努力することでしか合格は見えてきません。量より質を重視した学習を心がけなければ、合格できない学校です。そのための対策としては、ペーパー学習の際に必ず答えの根拠を求める「対話教育」をご家庭でも実践してください。

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