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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問28】

2007年5月18日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 ばらクラス第21週に学習した「一対多対応」は、入試でもよく出されると聞いています。数においては複合問題化されやすく、また数以外の内容でも、この考え方が問われるということですが、具体的にどんな内容で、そのためにどんな学習を心がけたら良いのでしょうか。

 一対多対応は、掛け算の考え方につながる重要な内容です。また、掛け算と表裏一体の関係にある割り算の考え方にもつながる内容です。基本問題については、質問23でお答えしたとおり、お客さんの問題とタイヤに関する問題ですが、この一対多対応の学習を終えると、四則演算すべての考え方を学んだことになり、基本となる数の操作はすべて可能ということになります。そのため、数における学習範囲が一挙に広がり、複合問題も解決可能となるのです。複合問題とは、簡単に言えば、求められている答えを出すために、一度出した答えに基づいて、違う数の操作をしなくてはならないということです。例えば、一対多対応と数の多少・数の増減と一対多対応・一対多対応と包含除というように、問題によっていろいろな組み合わせが可能となるのです。

 このほかにも一対多対応の考え方が必要になる問題がたくさんあります。たとえば、次のような交換の問題もそのひとつです。

  • 大きい葉っぱ1枚は、木の実3個とかえることができる
  • 小さい葉っぱ1枚は、木の実1個とかえることができる

問1.大きい葉っぱ1枚と小さい葉っぱ2枚を持っている。木の実何個と取り替えることができるか。その数だけ丸を書く。
問2.木の実7個を持っている。どの葉っぱの組み合わせで取り替えることができるか、お部屋に丸を書く。

また、シーソーにおける「つりあい」の問題は、重さにおける一対多対応と考えることができます。

  • ニンジン1本とみかん2個がつりあっています。キャベツ1個は、ニンジン1本とみかん2個とつりあっています。では、キャベツが3個のとき、ニンジン2本と、後何個みかんを乗せたらつりあいますか?
  • 3枚のカードに、ダイコン2本、キャベツ3個、トマト4個が描いてある。

問1.これらは同じ重さです。1つが一番重いのはどれですか。
問2.ダイコン1本と同じ重さにするにはトマトはいくつ必要ですか。

 つりあいの問題はシーソーを使っていますが、シーソーにおける関係推理とは違って、一対多対応の考え方を応用すれば簡単に解決できるのです。ただ、つりあいには、もうひとつ難しい問題があります。それは、次のようなものです。

 赤い箱1個と青い箱2個がつりあっています。また青い箱1個は黄色い箱3個とつりあっています。
 では、赤い箱1個は黄色い箱何個とつりあいますか。

 この問題の場合は、単純な一対多対応ではありません。赤い箱と黄色い箱との関係を考えるために、青い箱を仲立ちとしなくてはなりません。これには「置き換え」の考え方をしっかり身につけなくてはなりませんが、子どもが理解するのにそんなに時間はかかりませんので、一対多対応と置き換えの2つの考え方を応用して解く練習をしてください。

 掛け算や割り算の考え方の基礎になる「一対多対応」をしっかり理解することは、入試における数問題の得点ポイントになりますので、しっかり身につけてください。特に女子難関校を受験される方は、繰り返し練習してください。

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