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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問29】

2007年5月25日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 先週学習した「回転推理」がまだ十分理解できていないようです。家庭でどのように学習したらよいのか教えてください。

 回転推理という単元でくくっている内容にはいくつかあります。小学校入試でよく問題になるのは観覧車やルーレットに象徴される「回転推理」ですが、今回学習した内容は、つみ木を使った回転推理ということになります。

 立方体の6面に形が書かれたり色が塗られたりしています。その立方体を右や左、または前や後ろに何回か回転させたとき、上に来る面の色や形が何なのか、また、下にくるものは何かを予想するものです。

  • 右に3回回すと、上には何色がきますか
  • 左に5回回して、続けて右に2回回すと、上には何がきますか
  • 右に3回回して、続けて手前に2回回すと、何が上にきますか
  • 緑色を上に出したいときは、どのように回せばいいですか。2通りの方法で説明してください

 こんな設問がなされ、置かれたつみ木を見るだけで答えを出さなくてはなりません。われわれの授業では、答えを出したあと、実際にそのつみ木を回転させ、答えを確認させています。

 この問題の難しさは、右回りに回したときにどのような順序で色や形が現れるか。また左だったらどうか。右や左の回転につけ加え、前後の回転が加わったとき現れる色や形の順序をどうイメージできるのか・・・そんなところにありそうです。この問題に限らず、図形の回転や、回転位置移動の問題が難しいのも、回転させたときのイメージ化を、何を根拠にしたら良いのかがつかめないからです。

 今回のつみ木の回転の場合、例えば右回りだったら、緑・青・黄色・赤という順序で表れ、左回りだったら、黄色・青・緑・赤の順に表れるという法則性に気づけば手がかりは少しつかめそうです。

 実際に授業でやってみて、子どもがまずつまづくのは、右回りに一回倒すと、今左にある面の色が上に現れるという点の理解が弱く、右回りというと今右にある面の色から数え始めてしまうことがあるという点です。つまり、右に一回倒したときのイメージがもてないと、逆から数え始めたり、一番上にある色を最初に数えてしまうため、回転数が多いとき一個ずれてしまうことがあるということです。

 こうした、子どもの現状を考えると、家庭学習のポイントは、次のようになります。

  1. まず、実物を触らせ、右や左また前や後ろに回転させる経験をたくさんつみ、そのときの上に現れる色や形の順序を注意深く観察させる
  2. 4回回せば元に戻ることを体得させる
  3. 今上にある面は一に数えないことを徹底させる
  4. 右に3回は左に1回と同じということをつかませる
  5. 何回右に回したら何色が出るという質問の逆の質問をする。例えば「赤を出したいときはどうするのですか」と問いかける。そこでの考え方がしっかりつかめれば、つみ木の回転推理は、半分以上わかったと考えて間違いない。
  6. 前後と左右の混ざった質問は、難問であるため一番最後の課題とする

 回転推理の代表である、「観覧車」や「ルーレット」の解き方はまたお伝えしますが、このつみ木の回転は、問題が多様化しやすいので、子どもにとってはとても難しい問題のひとつだと思います。

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