ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問2】

2007年1月19日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

「シーソーの三者関係」は理解できたのですが、「つりあい」がまったく理解できません。どのように教えたら良いのですか。

 シーソーを使った三者関係の理解は、重さ比べの課題でもあるし、関係推理の課題でもあります。
 2つの場面から3つのものの関係を推理したり、3つの場面から4つのものの重さの関係を推理したりする課題ですが、関係推理の観点から見れば、かけっこの問題もあり、相撲やじゃんけんの勝ち負けの課題もあります。また、お話を聞いて関係を考える、「言葉による関係推理」もあります。そうしたものの一番基本が「シーソー」による関係推理ということになります。こぐま会でも第7週の授業で重さ比べの学習の一つにこの課題を学習しましたが、この学習をすると必ずといっていいほど、上記の質問が寄せられます。
 同じシーソーを使った課題だからでしょうか。また、入試問題にも良く出されているので早く解決したいという気持ちが働くのでしょうか。
 しかし、シーソーを使った重さ比べと、釣り合いとは全く違ったものの見方考え方が求められている課題です。同じシーソーを使った課題ですから、同時に学習してしまいたいという気持ちはわかりますが、そこで求められている考え方は全く異質のものであり、区別して取り組まなくてはなりません。

 つまり、つりあいは関係推理の延長ではなく、数における一対多対応(掛け算の基礎)の考え方を応用して解く問題です。つまり、A1個に対しB2個がつりあっている時、Aが2個だったらBは何個とつりあうか、また、Bが8個だったらAは何個とつりあうか(これは包含除の考え方)などの問題は、掛け算や割り算の考え方を応用すればすぐに解けるのです。ですから、つりあいは、数における一対多対応の考え方を身につけてから挑戦してください。
 ただ、釣り合いには、問題によってはもう一つ難しい課題があります。A1個とB2個がつりあい、B1個とC3個がつりあっているとき、A1個とC何個がつりあうかという問題です。この問題は、一対多対応の考え方だけでは不十分です。置き換えの発想、つまりAとCの関係を考える時、まずA1個をB2個に置き換え、そのB2個をC6個に置き換えるという操作が必要なのです。AとCの関係をBを仲立ちとして考える(置き換える)という発想を身につけないと、この問題は解けません。
 このように、同じシーソーを使った問題ではありますが、そこで求められているものの見方考え方は違うということを良く捕らえ、指導していかなくてはなりません。

PAGE TOP