ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問1】

2007年1月19日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

記憶力が弱いのですが、どのような練習をしたら良いのですか。

 現在の入試で、記憶単独の問題を出す学校は、以前より減ってきました。ただペーパーの質問も一回だけですし、行動観察の中には指示行動もあります。ですから、記憶力はいたるところで求められていますから、相当高めておかなくてはなりません。記憶単独の問題を考えれば、目で見て覚えるもの、聞いて覚えるもの、中には触って覚えるものもありますが、内容としては、次のようなものが入試でよく出されるものです。

具体物の記憶・積み木を使った位置の記憶・方眼上の位置の記憶・短文復唱・数の復唱-逆唱・数の記憶・図形の記憶・場面の記憶・リズムの記憶・模倣体操・指示の記憶

 それぞれに特徴があり、いろいろな方法で練習しなくてはなりませんが、記憶問題の難易度は、やはり、記憶する要素の数によって決まります。覚える要素が増えれば増えるほど難しくなるのは明らかです。ではどれくらいが入試レベルかということですが、それぞれの課題によって一概には言えませんが、要素が4から5ぐらいを覚えることが入試レベルだろうと思います。たとえば、単純な数の逆唱を例にとってみると、3桁の逆唱はすぐにできても、4桁になると相当難しくなります。また、3×3方眼上の位置を記憶する場合でも、3つはできても4つになるとかなり難しくなります。私たちの経験ではすべてではありませんが、覚える要素が3から4になるところに大きな壁が存在していると思います。

 では、どのような練習が効果的かというと、まず覚える要素を一つ少なくして練習することです。4つが難しければ3つ、3つが難しければ2つというように、壁になる数が必ずありますから、その難しいほうを解決させるために、一つ要素を減らしたやさしいほうでくりかえし練習するのです。記憶問題は、自信を持たせることと、覚え方を子ども自身に発見させることが大事です。大人が、こういう場合にはこのように覚えて・・・と教え込んでも、その方法がとっさの時には使えないのです。どんなときにも使えるのは、自分で編み出した方法、つまり、身についた方法でやるしかないのです。そのためにも、一つ要素を減らしたやさしいところで繰り返し練習することによって、自信を持ち、方法も自ら考え出したことを身につければ、要素が一つ増えた難しい問題も解決してしまうのです。

 3×3方眼の位置の場合、3つか4つを覚えさせる課題が一般的ですが、9個全部を覚えることはそれほど難しくありません。まず真ん中を覚え、次に4すみを覚え、最後にはさまれたものを覚えるという方法を使えば、簡単に覚えられます。こうしたことは少し指導してあげたほうが良いと思いますが、基本的には、自分で覚え方も工夫するくらい、繰り返し練習することが大事です。

PAGE TOP