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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問3】

2007年1月26日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

実際の場面では、向き合った人の右手・左手は理解できるのですが、ペーパー問題になると、よく間違えます。どのような学習を心がけたら良いのでしょうか。

 位置表象の課題の中で、左右関係の理解はとても大事です。上下・前後・左右が位置関係の基本ですが、この関係の理解を踏まえ、上下左右関係(方眼上の位置)や前後左右関係(四方からの観察)・また地図上の移動などの課題があります。位置表象に関するこうした難しい入試問題を考えると、この左右関係の理解が決め手になります。
 左右関係の学習は、自分の右手・左手の理解から始まり、自分以外の人の右手左手を考える課題へと発展します。向かい合って握手をしたり、手を上げたりすることを通して、自分の右手と相手の右手の関係がどうなるかを理解していきます。しかし、実際の場面で他人の右手左手が理解できても、そのことですぐにペーパーでの問題ができるわけではありません。実際の場面で学習したり・カードを使ったり・ペーパー問題に挑戦したり・・・その繰り返しの中で、自分を相手に置き換えることがイメージできれば、次第にわかっていきます。ペーパー問題では、どちらを向いているかをよく認識し、同じ格好をしてみるなどの工夫が必要です。しかし、反対向きで同じ格好ができてもペーパーに向かうとまたわからなくなってしまう・・・というようなことはしばらく続きますが、あわてず取り組んでください。

 この左右関係の理解は、交差点を右や左に曲がる課題を踏まえて、地図上の移動に発展していきますし、四方からの観察では、自分以外の人から見たときの右左の見え方も理解しなくてはなりません。そうした課題をこなしていく中で、自分の右手・左手も混乱してわからなくなってしまうことが出てくると思います。その時もう一度、基本となる自分の右手左手の理解に戻れば問題ありませんが,その時、右手・左手を同時に確認するのではなく、まず右手がどちらかを再確認してください。そして、「左手は、右手ではないほう」と覚えれば、再び混乱することはまずありません。右手と左手を同時に教えると、やはりある場面で混乱します。まず、右手をきちんと覚えること・・・・これが、大事です。

 この右手・左手の問題だけでなく、実物を使ってわかったから、すぐに同じ課題のペーパーができるかというとそうではありません。ペーパーには、場面をイメージするといった、違った難しさがあります。ぜひ、そのことを理解したうえで、具体物経験を土台にしながら、実物とペーパーをいったりきたりするなかで、抽象する能力や、物事を論理的に考える力を育てていってほしいと思います。

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