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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問24】

2008年05月16日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

立方体の回転推理がまだよく理解できていないようです。どのようにしたら理解できるようになるのでしょうか。

 回転推理といわれる問題にもさまざまなタイプがあります。典型的なものは、「観覧車」を使った回転推理や「ルーレット」です。その他に、「図形の回転推理」や、「回転位置移動」などもあります。今回ご質問の立方体の回転推理は、立方体の4つの面に色が塗ってあり、例えば「右に3回まわしたら、上の面は何色になりますか。また、下の面は何色になりますか」というような問題です。回転したらどうなるかという点では、どの問題も共通していますが、回転することによって問われる内容は違うし、それぞれの問題を解くコツがありますので、一つ一つ解決しなくてはなりません。一つできたからといって、すべての回転推理の問題ができるようになるわけではありません。回転することによって問われるのは、「順序の理解」であったり、「方向や位置の変化」であったりするわけです。回転という操作を加えることによって、変化するものと変化しないものをしっかり区別すること、そして、変化の法則性をどう発見するかがポイントになります。

さて、立方体を使った回転の場合、前述したような質問が基本です。この場合の回転は左右の回転です。「右に3回まわしたら…」「左に3回まわしたら…」と同時に、「右に3回まわし左に1回まわしたら、上には何色が出ますか」というような質問もあります。
立方体の回転の場合、4つの面に色が塗ってありますから、回転することによって出てくる色の順序は決まってきます。たとえば、4つの面が赤・青・黄色・緑が塗ってあるとします。今赤い面が上に出ている場合、右に回すと青・黄色・緑・赤と4回まわせば元に戻ってきます。逆に左に回せば、緑・黄色・青・赤と現れます。右に回した時と左に回した時では、現れる色の順序は違いますが、右の回転に限定すれば現れる色の順序は決まっています。青・黄色・緑・赤・青・黄色・緑・赤・・・・こう考えれば、皆さんもお分かりのように、図形系列の際に学習する並び方の法則性の理解につながるのです。並び方の法則性を、立方体の4つの面を使ってやっているだけなのです。そこに気づくかどうか。それがこの問題のポイントです。

しかし、並び方の法則性にはなかった新たな問題が生じます。それは、右回りと左回りでは並び方が変わるということ。それに時には、2つの方向が同時に問われることもあります。もっと初歩的なことを言えば、右に1回まわすと、今見ている立方体の左の側面が最初に出てくることなど、間違いやすい要素がいっぱい入っています。だからこそ難しいのです。

今置いてある立方体の上面が「1」ではなく、右回転ならば左の側面が「1」であり、左回転ならば、今見ている立方体の右の側面が「1」であることをしっかりつかませなくてはなりません。ペーパーでもこの問題はできますが、立方体つみ木を使い、実際に回転させてみる経験がどうしても必要です。最近では、6つの面を全部使って、左右の回転に前後の回転を加えた問題が出始めています。例えば、「右に3回まわして、こちら側に2回まわすと、上の面は何色になりますか」というような問題です。こうした問題こそ、実物を使って学習させてください。また、右に3回は左に1回と同じ、左に3回は右に1回と同じことも、実物を使ってつかませてください。また、4回まわすと元に戻ることを確認できれば、右に5回は、右に1回と同じという置き換えが可能になるはずです。

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