ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問23】

2008年05月09日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

話の内容理解に関する入試問題に変化があるようですが、それは、どのような変化でしょうか。また、どのような対策が必要でしょうか。

  小学校入試では、どの学校においても、「話の内容理解」は必ず出されると考えておいてください。国語科の大事な柱である「聞く力」の代表として、どの学校でも重視しているからです。その、「話の内容理解」の問題に変化が見られるようになってきています。それは、

(1) 聞く話が長くなり、時には絵本を使うようになってきている
(2) 質問の内容が従来の典型的な4つの柱から発展し、多様化している
の2点です。

最近の顕著な傾向としては、市販の絵本を使う学校が増えてきているという点があげられます。内容を少し変えて出題している場合もありますが、これまではあまり考えられなかったことです。短い話ならば、「話の記憶」という要素の強い質問が多いのですが、長い話となれば、細かな点の記憶よりも話の展開をどう理解したかに重点を置いた質問が多くなります。ですから毎日の「読み聞かせ」が重要になってきます。またある学校では、長い話を途中で区切り、そこまでの内容に関係のある質問をするという形式で、質問が何問も続く場合があります。

そうした形式の変化にともない、質問される内容もかなり変化してきています。これまでは、(1)登場人物 (2)順序 (3)数 (4)登場人物の行為 の4つが質問の柱でしたが、最近では、どんな質問が飛び出してもおかしくない時代になりました。特に、数の操作に関する質問が多く取り入れられています。話の内容理解の形をとりながら実は、「数」の問題として考えたほうが良いと思われる問題が増えています。そのほか、「地図上の移動」「私は誰でしょう」「三者関係の理解」など、言語以外の領域で学習していることが、質問の内容になる場合が少なくありません。長い話を集中して聞くという点と論理的思考力を問うという点を総合した問題と考えることができます。それが、新しい問題の特徴です。文科省が国語力を高めるという方針を強く打ち出しましたので、こうした傾向は、ますます強化されていくと思います。言語領域以外の課題も、しっかり身につけておかないと、「話の内容理解」の設問に答えられなくなる時代になったということです。

PAGE TOP