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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問20】

2008年04月04日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

言葉による関係推理があまり得意ではありません。どのような練習をすれば良いのでしょうか。

 シーソーに代表される関係推理の問題は、多岐にわたっています。シーソーのほかに、かけっこであったり、相撲であったり、自動車レースであったり、勝ち負けのはっきりする題材が多いようです。例えば3人でじゃんけんをする場合、3人同時にするのではなく、最初にAとB、次にBとC、最後にCとAがじゃんけんをした結果を総合して順位を決めるやり方が、関係推理の問題になります。つまり、一つの場面で結論を出すのではなく、いくつかの場面を総合して関係(順位)を考えさせる問題です。3つの場面が絵になっていれば、場面をつなぐことは容易にできますが、これがお話だけになると、聞いただけで関係を考えなくてはならず、大変難しくなります。お話だけで関係を考える問題を「言葉による関係推理」としてくくり、入試問題等を分析しています。どんな問題があるか、ご紹介しましょう。

(1)次郎君、花子さん、早苗さんが背比べをした。花子さんは次郎君より背が低く、早苗さんより高かった。次に同じ数ずつキャンディをもらった。花子さんが次郎君にひとつあげ、早苗さんは花子さんに1つあげた。
 問1 一番背の低いのは誰か
 問2 一番たくさんキャンディを持っているのは誰か

(2)花子さんのお家からは、花屋さんより魚屋さんが近く、魚屋さんより八百屋さんの方が近い。
 花子さんの家から近い順番にカードを指さす

(3)豚さんのお家はうさぎさんのお家より大きく、ネコさんのお家は豚さんのお家より大きい。
 お家の大きい順番に動物カードを並べる

言葉による説明ですから一瞬にして消えてしまいます。お話を聞き取って一瞬のうちに関係を考えなくてはならない分、場面があるよりむずかしいのです。ではどのような練習が必要でしょうか。絵に描き表わしたり、絵カードを使って関係を考えさせたりすることも大事ですが、お話の聞き取りによって関係を考える問題ですから、場面をイメージする練習が必要です。その際、聞き取らせる話の内容と設問の組み合わせによって難易度が決まりますから、やさしいところから順にやることが必要です。難易度は次のようにして、決まります。

たとえば(1)の三人の背の高さ比べを例にとってみましょう。
次郎君をA、花子さんをB、早苗さんをCとします。そうすると、ここにある話の叙述は B<A ・ B>C ということになり、真ん中の花子さん中心の叙述ですから、比較的関係をイメージしやすく、わかりやすいと思います。また設問が、一番低いものを探せば良いので、比較的楽に解答できます。ところで、この C<B<A という関係を説明する場合、いろいろな説明の仕方が可能です。

(1) CよりBの方が背が高くBよりAの方が背が高い
(2) AよりBの方が背が低く、BよりCの方が背が低い
(3) BはAより背が低いが、Cよりは高い

その上で、A 背の高い順
B 背の低い順
C 「~番目に背が高い」(低い) を質問できます。

この(1)から(3)までの状況説明と、A~Cの質問の組み合わせによって難易度が決まります。「~より高い~より高い」と説明しておいて、「高い順」を聞かれるのはやさしいですが、「~より低い~より低い」と説明しておいて、「高い順」を聞かれるのは厄介です。このように叙述の仕方と設問の組み合わせで、難易度が決まることを承知した上で、やさしいところから練習を積み上げてください。

この「言葉による三者関係の推理」が、最近は「話の内容理解」の中に入り込んできています。登場人物がいろいろ会話する形式で、三者の関係が表現されることが多いのですが、こうした形式の問題にも慣れておくようにしてください。

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