ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問18】

2008年03月14日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

「お話づくり」が苦手です。性格も反映していると思いますが、どんな練習をすればよいのでしょうか。

 私たちの指導経験でも「お話づくり」は「得意―不得意」のでやすい内容であり、入試直前まで解決できず、お母さんの心配の種になりやすい課題です。確かに、性格的な問題も絡んでいますので、短時間で解決できる課題ではないと思いますが、順序を踏んで話すことに自信が持てれば、必ず解決できます。

話す力の代表として、この「お話づくり」は昔からある典型的な入試問題ですが、ペーパーではできない個別テストの形式で行われますので、すべての学校で出されているわけではありません。しかし、今、日本の教育全体が「国語力」に力を入れようとしている時代ですから、「話す」能力を見る課題は、どこかで形を変えて必ず出されるはずです。行動観察での相談・発表等もその一部であるし、クイズを出し合ったり挨拶をし合ったりといった単純な課題においても「話す力」は試されているのです。

ところで、お話づくりはどのような形式で出題されてきたのでしょうか。一番典型的な出題方法は、4枚の絵カードを時間的順序に沿って並べ、それを使って一つのお話をつくるというものです。絵が4枚ぐらいあると、起承転結ではありませんが、場面に沿って話していくとまとまったお話はできるものです。しかし、最近の入試では、その形が崩れ、一場面の絵を使ってお話をつくったり、空欄を自分で想像してお話をつくったりと、子どもにとっては難しい形に変わりつつあります。昨年秋の入試においても、次のような問題が出されています。

  • 4枚の絵の中の3番目だけ空欄になっている。空いているところを考えてお話をつくる。(玉川)
  • 草原の中にいる大きな象と小さな象の絵を1枚見て、何をしているのか考えてお話しする(暁星)
  • 3枚のカードが並べて伏せてあり、その中の一つを選んでめくる。カードには昔話の絵が描いてあり、その絵を見てお話しする(学習院)
  • 2~4枚の絵を使ってお話をつくる(桐朋)

形式はいろいろ変化していくと思いますが、4枚の絵カードから始め、次第に3枚・2枚と減らし、最後は1枚の絵を使ってお話をつくる練習をしてください。
お話ができても、お友だちの前で発表することができない子も確かにおります。しかし1度でも発表し、みんなの前で褒められたりすると、次からは、積極的に手が上がります。そうしたチャンスを一人一人に与え、自信を持ってもらうことが、私たち指導者の役割だと思います。声を出すことに抵抗がある子には、谷川俊太郎さんの「みみをすます」などの詩集を暗記させ、家族の前で発表させるなどしてみると自信がつくと思います。

PAGE TOP