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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問16】

2008年02月29日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

等分の考え方は将来の割り算の考え方につながる大事な学習課題だと思いますが、入試対策も含めて、どんな点に留意して学習したら良いのでしょうか。

 幼児たちは生活や遊びの中で「物を等しく分ける」ことをたくさん経験しています。私たちはそうした経験を前提に、等分の考え方を意識化させ、将来の割り算の考え方につなげていく指導をしなくてはなりません。私たちの教室授業では、等分を「量の等分」と「数の等分」に分け、できるだけ具体物を使って生活を思い起こさせ、その上で、形やおはじき等、やや抽象的なものを使った学習を経てから、ペーパー学習につなげています。

量の等分では、水量や折り紙を使って学習します。2等分・4等分はすぐにわかりますが3等分になるとやや難しくなります。以前、ある学校の入試でホットケーキを3等分させる課題が出るまでは、ほとんど2等分と4等分が出題内容でしたが、その問題が出されて以降、多くの学校で、「3等分」が出されています。ひもの3等分や水の3等分などが実際の入試でも出されています。この3等分はぜひ生活の中で経験させてください。ペーパーでの学習は、図形を何かに見立てて、3等分させる学習が効果的です。同じ「3等分」でも、いろいろな分け方が可能であることを学んでください。

数の等分も生活や遊びの中でよく経験していることです。数の等分は、「あまりのない等分」と「余りが出てしまう等分」とに大別できます。当然余りの出てしまう等分のほうが難しくなります。その場合でも、たとえば4等分の際、1個余るようなケースと3個余るようなケースでは、後者のほうが間違いやすくなります。そのために、まず1個ずつ配る方法を身につけてください。そして手元にある数と配る人数との関係を常に考えながら、少なくとも配るものが、配る人数以上手元にないともう1回り配れない・・・・ということを徹底させてください。4人に配る場合、少なくとも4個以上ないともうひとまわり配れないということを判断できなくてはなりません。一度配ったものを元に戻すという発想は非常にできにくいのが幼児の思考の特徴です。先ほどの例でいえば、3個配ってしまうと、今度は「1個足りない」というほうに目が行って、3個余ったとなりにくいのです。

この数の等分については、まずおはじき等の具体物を使って行ってください。2等分から4等分まででよいと思いますが、具体物でできたからといって、ペーパーでスムーズにいくかというとそうではありません。つまり、余りが出てしまうような場合、ペーパー上でどのような作業が必要かということです。線を引くのが一番わかりやすいはずですが、その線がかなり込み入ってしまい、作業はできたけれど、答えが出ないということにもなりかねません。一つのやり方を絶対化しないで、いろいろな方法があることを練習によって身につけてください。

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