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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問11】

2008年01月25日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

立体学習の際に行った「秘密袋」の学習は、子どもたちも大変興味を持ったようです。この秘密袋の学習にはどんな意図があるのでしょうか。また入試では、どのような形で出題されているのでしょうか。

 私たちが幼児期の基礎教育の中で、「秘密袋」と呼んでいるのは、視覚的な情報を遮断し、触索だけでものの特徴をつかむ課題すべてを含んでいます。ばらクラス第10週の授業は基本立体の学習でしたから、さまざまな立体を袋の中にいれ、教師がとりだす立体と同じものを触索で探し出す学習をしました。ちょっと触っただけですぐに判別できるものだけでなく、特徴がかなり似た立体物の違いを、触索だけで判別するのは相当難しい課題です。しかし、細かいところまで知ろうとする意識が、手の動きに反映し、幼児でもかなり細かいところまで触索で判別できます。

袋の中に入れるものは、立体物だけではありません。分類の授業では、生活用品を袋の中にいれます。たとえば、同じ球でも、木でできたもの、ゴムでできたもの、鉄でできたもの、ゴルフボールのようなものなどいろいろ入れ、触った感じを言葉で表現させます。このような学習をしていたら、ある学校の入試で袋にたわしを入れておき「触った時どんな感じがしましたか」などを聞く問題が出ました。触索でわかったものの特徴を言葉で表現させる問題で、どちらかといえば、触索を通した言語学習といってもよいかもしれません。

私たちの教室授業では、具体物や立体物だけでなく、厚紙で作った形などを袋の中にいれます。そして、袋の中のものを触索させながら、いろいろな方法で作業させます。

  1. 見本に示したものと同じものを取り出す
  2. 触ってわかったことを言葉で表現する
  3. 触った形がどんなものか、紙に書き表す(平面・立体)

子どもたちが、とても集中して行う活動です。私たちは、特別製の袋を使って行っていますが、この課題は触索させることに意味がある課題ですから、袋でなくても構いません。実際の入試問題を見ると、箱であったり、アイマスクであったり、また、風呂敷の下に手を入れて触索ということもあります。ただ触ったものを書き表す場合などを考えると、袋が一番便利だと思います。

さて、こうした「秘密袋」の学習が、どんな入試問題の対策になるのか、実際に出された問題をいくつかご紹介しましょう。

  1. 箱の中に両手をいれ、中に入っているボールをよく触る。後で出された6種類のボールの中で、箱の中のボールと同じだと思うものをとる。
    テニスボール・ゴムボール・ゴルフボール・野球のボール・ピンポン玉など(成城)
  2. 箱の中に入っている2種類のものを触って、どんなものか言う。(慶應)
  3. 木の玉を触り、後で箱の中から同じ大きさの玉を取り出す。次に別の玉を触り、今度はそれより大きい玉を取り出す。(田園調布雙葉)
  4. 各自の机の上に赤い袋が用意されているので、手を入れて中の具体物を触ってみる。そのあと中に入っているものの絵をかく。中身はグループによって違うが、たとえばあるグループでは「立方体・丸いもの・円柱」だったようだ。描画中、ひとりひとり秘密袋の中にどんなものが入っていたか聞かれる。(聖心)
  5. はじめに見本を手で触ってみてから、袋の中に手を入れ同じものを取り出す。「袋の中は見ないで、見本と同じものを取り出してください。」(雙葉)

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