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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問10】

2008年01月18日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

数の操作の一番基本である「一対一対応」は、具体的にはどんな問題と して、入試問題になるのでしょうか。また、どんな点が間違いやすいのでしょうか。

 数を比較する基本的な操作である「一対一対応」は、様々な形式をとって問題が作成されています。一番基本となるのは「どちらがいくつ多い」という、2者の数の比較です。具体物であればくっつけてみたり、ペーペーであれば「線結び」の方法を使ったりして、2つの物の数を比較します。その上で

  1. どちらがいくつ多いか
  2. どちらがいくつ少ないか
  3. 2つの物の数はいくつ違うか
  4. 同じにするにはどうしたら良いか

など、いろいろな質問がなされます。学習当初は、「どちらがいくつ多い?」と聞かれても、「どちらが」だけを答えたり「いくつ」だけを答えたりしてしまい、聞かれていることにしっかり答えられません。また、「どちらがいくつ多い」が答えられても、同じ場面で「どちらがいくつ少ない」に答えられないケースも見られます。目に見える物の違いは答えられても、目に見えないものは答えられないということかもしれません。一個に対して一個が対応するわけですから、難しい対応づけではありませんが、質問の形式になれないと、言語表現が壁になることが考えられます。例えば、入試問題ではよく「違いはいくつ?」と質問されることが多く、入試の時期になれば、その問いかけの意味がわからない子はいませんが、年中児の今の時期は、「違いはいくつ?」と聞かれて何を答えたらよいのかわからない子もいます。そうした子には、質問の意味を噛み砕いて伝えていかなければなりません。

ところで、ペーパー上で行う一対一対応は、線結びの方法が一般的です。一つと一つをくっつけてみれば、あまるものが目に見えて分かり、いろいろな質問にも十分答えていけます。ただ、問題によってはペーパー上で線結びをするとかえって線が混乱し、分からなくなってしまうということも起こりがちです。そうした場合には、一個消したら、もう一方も一個消すという方法で問題を解決させる方法もあります。一に対して一が対応することをどのような方法で処理するのかは、状況によって工夫するしかありません。

この一対一対応の考え方は、ある数を基準にして、「それより~個多い数」、「~個少ない数」を探すという問題にも発展していきます。目に見える数の操作であれば、問題なく解けるものですが、話の内容理解に絡んでそうした問題が出てくると、暗算で処理しなくてはならない分難しくなります。

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