週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」【質問9】
2008年01月11日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。位置表象の学習の中では、「左右関係の理解」がポイントになるということですが、どんな課題があり、これからどんな順序で学習していけば良いのでしょうか。

この「左右関係の理解」は、そのまま入試問題になるほど大事であり、子どもたちにとっては難しい課題です。なぜでしょう。それは、上下関係や前後関係と違って、「左右関係は見る立場が変わると逆になることもある」からです。象徴的な問題としては、向き合った友だちの右手が、自分の左手側にあるという点です。右手で握手してくださいといっても、友だちの出した手に影響されて、左手を出してみたり、向き合った状態で、「右手を挙げて」といわれても、友だちの挙げた手に引きずられて、左手を挙げてみたりすることが良く見られます。視点が変わると「左右関係」が逆になるということをどう理解するかがポイントになります。
自分の右手左手が分かったら、自分以外の人の右手左手を理解させます。その後、右の方・左の方という方向を理解させるために、床に描かれた道路や交差点を曲がったりする練習をします。これは、将来地図上の移動を学習するために、欠かせない基礎トレーニングです。こうしたいろいろな経験を積む中で、左右関係をしっかりとらえさせます。ただ、実際の場面で、自分以外の左右がわかっても、ペーパーになるとまた壁にぶつかります。ペーパー上で行う課題には、実際の場面とは違う難しさがあるからです。自分の体を置き換えることなどは、やはり実際の場面のほうがしやすいからでしょう。
