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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問2】

2007年11月16日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

今年の雙葉小学校の入試で、方眼を使った「位置の対応」が出されたようですが、第2週で学習する模様づくりの課題とどのように関係があるのでしょうか。

 ばらクラス第2週の授業は、位置表象の第1回目として、「前後・上下関係」の学習をしました。この2つの位置関係のほかに「左右関係の理解」が加わり、それぞれの組み合わせによってこれからの位置表象の授業が進んでいきます。

「前後関係」も「上下関係」も、子どもたちの生活に身近な位置関係ですから、難しいことはありませんが、ここで学ぶべきことは、前回の量の学習でも学んだ、「相対化」と「系列化」の考え方です。たとえば前後関係を例にとって見ると、並んだ7人の中で、ある子を基準に、その子よりも前にいる子と後ろにいる子に分けたり、前から何番目にいる子は誰か探したり、後ろから2番目の子は前から見ると何番目か等の学習を行います。
位置の系列化は順序数の基礎になる大事な考え方です。

その後で、方眼を使った「位置の対応」として、模様づくりをしました。方眼の学習は、「上下左右関係」の学習で取り上げる課題で、「下から何番目の右から何番目」というように位置の言語化を目標とする内容です。今回の模様づくりは、言語化する前の「位置の意識化」という観点で学習するものです。4×4方眼や6×6方眼上にお手本と同じ模様をつくるのですが、方眼を構成する一単位の正方形を塗る作業において、斜めの線で分割して塗らなくてはならない場合、子どもたちは結構苦労します。全体と部分の関係をきちんととらえる必要があります。見本がいったいどんなものに似ているか、そうした目で見ることができるようになると、全体の形をイメージでき、難しい斜めの線も上手に塗ることができます。

この模様づくりの課題と、今回雙葉小学校で出された課題には関係があります。方眼上の位置を意識する今回の雙葉の問題は、模様づくりと同じ「位置の対応」の応用です。ただ、位置の言語化をしっかり学習してから行ったほうが、よりすばやく作業ができるはずです。

方眼を使った課題は、そのほかにもたくさんありますが、特に注意したいのは、方眼上の位置の記憶です。3×3方眼がよく使われます。また、縦軸と横軸の関係で場所が決まるという性格を応用した問題もありますので、まず方眼に慣れ親しんでおくということは大変重要なことだと思います。そうした意味でも、今回学習した「模様づくり」は良い経験になると思います。

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