週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」【質問1】
2007年11月09日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。大きさや多さくらべの学習を通して、どんなものの見方を身につければ良いのでしょうか。

次に大事なのは、比較する言葉をしっかり見につけることです。『大きい-小さい』とか『多い-少ない』とかいう比較する言葉をしっかり身につけてください。「多い-少ない」を「たくさん-すこし」と表現する子どももいるはずです。生活の中で身につけた言葉を、より発展性のある一般言語に置き換えてあげることは、幼児の場合とても大事です。
言葉が理解できたら、今度はたくさんある中から、一番大きいものや一番小さいものを探させてください。その上で、ある大きさのものを基準に「それよりも大きいもの」と「それよりも小さいもの」に分けさせてください。基準をいろいろ変え、同じ質問をしてください。量は絶対的なものでなく相対的なものであることを、こうした課題を通して身につけさせ、相対的思考の芽生えを促します。つまり見る視点を変えることによって、柔軟な思考を育てていくのです。

数には2つの側面、すなわち「集合数」としての側面と「順序数」としての側面があります。集合数は分類思考の上に成り立ち、順序数は系列思考を前提に成り立っています。『5』という数には、物の集まりとしての5(集合数)と、順序をあらわす5(順序数)という二つの側面を持っていますが、順序数の考え方は、この系列思考を基に成り立っています。
物事を違う視点で見る『相対思考』や、物事を順序づけてみる『系列思考』は、こうした「大きさくらべ」や「多さくらべ」の中で培うことができるのです。