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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(31)

つりあいの問題は、一対多対応の考え方を応用すること

2009年7月3日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問31】
 つりあいの問題がなかなか理解できません。特にあるものを仲立ちとして考える問題ができません。どのような観点で学習したら良いのでしょうか。

 つりあいの問題は、シーソーを使って出されますが、そこで求められている考え方は
 1. かけ算の考え方につながる 一対多対応
 2. わり算の考え方につながる 包含除
 3. あるものを別なもので考える「置き換え」の発想

この3つの考え方がしっかり身についてこそ、「つりあい」の問題は正解できるのです。ではどこで間違えるのか。具体的に見てみましょう。

A1個とB2個でつりあっている。 B1個とC3個でつりあっている
問題1 : A3個はB何個か
問題2 : C9個はB何個か
問題3 : A1個はC何個か
問題4 : C12個はA何個か

問題1は一対多対応、問題2は包含除、問題3は置き換えを伴う一対多対応、問題4は置き換えを伴う包含除の問題ということになります。このほかにもいろいろな組み合わせが可能ですが、基本の理解としては上記4問だと思います。

問題1は「1あたり2」の3個分(2×3)ですからすぐに理解できます。問題2は、9個の中に3の塊がいくつあるかという意味で包含除(9÷3)の考え方でこれもわかりやすいと思いますが、学習し始めの頃は戸惑う問題です。問題3と問題4が理解できない子が多いので「つりあい」は難しいということになるのです。また、問題3ができても問題4で間違える子が出てきます。

こうした置き換えの難しさがどこにあるのか。解らない子ども一人一人と向き合って子どもの考え方を点検してみました。一番多いのは、AをBに置き換えた後、まだAの存在が気になって、Bだけで考えられないところにあるようです。

つまりA1個をB2個に置き換え、そのB2個をCに置き換える際、BとCの関係だけを考えればよいのに、B2個に置き換えたAが気になってそれができないのです。つまり、置き換えて関係を考えることそのものが、まだ十分理解できていないのです。「置き換えたんだからもうAは取ってしまっていいね」ということが具体的に理解できるかどうか。色おはじきなどで操作しながら学習するとわかりやすいと思います。

また、問題4の場合、C12個をB4個に置き換え、そこで止まってしまって答えを4個としてしまう子が良く見られます。AとCの関係をAから見るだけでなく、Cの方から(逆から)見る見方がまだ十分身についていないからだと思います。

以上のような子どもの間違い易い点を踏まえて学習すれば、次第に理解できていくと思いますので練習してみてください。雙葉小学校でよく出す「交換」の問題もまったく同じ考え方で解決できますので、関連づけて学習してください。

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