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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(22)

一対多対応は、答えを出す手続きを身につけることが大切

2009年4月24日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問22】
 かけ算の基礎となる一対多対応の問題で、答えが10を超えるような場合、間違いが目立ちます。かけ算の九九を教える必要はないということですが、求める数が10を超えるような大きな数の場合、どのような解き方を身につければよいのでしょうか。

 一対多対応は将来のかけ算の考え方の基礎になるものですが、方法を間違えると極端に難しい問題に変化します。つまり、「一当たり量×いくつ分」というかけ算の考え方に沿って答えの出し方を身につけることが大事であり、決してかけ算九九を暗唱させるような問題ではありません。例えば次のような問題が実際の入試で出されています。

 駐車場に車が3台止まっていました。1台出て行きましたがすぐに2台入ってきました。今止まっている自動車のタイヤの数は全部でいくつでしょうか。

この問題は、数の増減と一対多対応の複合問題ですが、駐車場に4台止まっているとわかっても、4台分のタイヤの数をどのように求めるかという課題が残ります。この場合、全体の数(この場合は16)をまず把握してから丸を描いたり、おはじきをとらなくてはならない、というわけではありません。丸を描く場合は、1台分と言いながら丸を4つ描き、2台分といいながら、また4つ描き・・・この繰り返しで4台分まで描いて、数を数えてみると全部で16あったことがわかればよいのです。全体の数を求める九九の計算を暗算するのではなく、全体の数を求める手続きをどう身につけるか、そこに学習の力点を置いてください。そうでないと、こうした問題は小学2年生のかけ算問題となんら変わらないことになってしまいます。12ぐらいまでは暗算で答えが出せるかもしれませんが、それ以上の数を暗算で求めることは、幼児期の子どもにとってはとても難しくなります。逆に、1台分・2台分・・・とやっていくうちに、「一当たり量×いくつ分」というかけ算の考え方もしっかり身についていくはずです。

この一対多対応の考え方はいろいろな面に応用されるだけでなく、ほかの数の操作と組み合わさって複合問題化するケースが増えています。考え方の基礎をしっかり身につけ、どんな問題にも対処していけるよう練習してください。「交換」や「シーソーのつりあい」といった難しい問題も、この一対多対応の考え方を応用すれば簡単に解決します。

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