ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(9)

左右関係の理解は、位置表象に関する問題解決のポイントです

2009年1月16日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問9】
 自分の右手・左手は理解できても、他人の右左や、地図上を指示どおりに移動する問題になると理解が十分ではありません。どのような点に注意して学習したら良いのでしょうか。

 左右関係の理解は自分の右手・左手の理解から始めますが、問題はそんなに単純ではありません。四方からの観察や地図上の移動のように、難しい課題のすべてに左右関係の理解が絡んでいます。自分の立場を離れて他人の観点から左右関係を考えることは、幼児にとってとても難しいことです。「視点を変える」「他人の立場に立つ」ということが難しさの原因ですから、それを克服する練習をしなくてはなりません。
その一番の基礎は、次の3つの学習です。

  1. 向き合ったお友だちの右手がどちらか理解する
  2. 交差点の4つの入り方を徹底して学ぶ。特に平面にした時、上からの入り方をよく練習する
  3. 絵に描かれた人物がどちらを向いて手を挙げているかをしっかりとらえ、その上で挙げている手がどちらかを判断する

その際まず必要な事は、人物であれ自動車であれ、そこに描かれた自分以外の物に自分の体を置き換えるという発想です。体をよじってみたり、車を運転している人のつもりになって、状況を判断するということです。そうした自分の体の置き換えができるようになると、実際に体を置き換えなくてもイメージの中でできるようになっていくのです。それが内面化ということです。すべての判断基準は自分の右手・左手ですから、そこに置き換えるために、内面化できないならば自分の体を差し出して考えるしか方法はありません。最初のうちは大変ですが、その経験がイメージを作る源泉ですからしっかりやっておかなくてはなりません。

右左に関する問題をたくさんやっていくと、混乱を起こし、自分の右手・左手も自信を無くしてしまうことがあります。そうしたら、また一番最初の課題である自分の「右手・左手」を徹底してください。そこで迷いが吹っ切れれば、自信を持って左右に関する問題は解けていくと思います。

PAGE TOP