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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

より一歩先の課題に挑戦すること

第96号 2007/03/09(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 11月から始まった新年度の学習も、すでに5ヶ月が経とうとしています。こぐま会の受験クラスの基本授業もこの3月で「ステップ3」を終了することになります。入試で実際に出された問題も、易しいものであれば解けるものもありますが、まだ「過去問トレーニング」に取り組む時期ではありませんので、あせらず、基礎固めをしっかりしてください。

 学習内容も難しくなり、テスト結果を見て一喜一憂することも増えてくると思います。これまで学習して、もう大丈夫だと思っていたのに、テストになると点が取れないということに直面すると思いますが、心配しないでください。まったく忘れてしまったのではなく、別な要素が入り込んできて少し混乱を起こしているのですから、時間が解決してくれます。そうして揉まれながら、物事を理解する力は身についていくのです。特に左右関係の理解には、その傾向が顕著に現れます。

 最近の教育相談の中で、「残り半年あまりの時間を、どのような考え方で学習計画を立てたら良いのか」と質問を受けます。基礎学力が固まり、これから過去問を含め難問とされる問題をどのように学習して行ったら良いのかという点での相談です。

 こぐま会の基本クラスは、4月からステップ4が始まりますが、このステップ4が終わると、入試問題の8割がたが解けるようになると思います。また、過去問や難問に取り組むのもこのステップ4が終了してからが良いと思います。しかし、どの課題からどのような順序で取り組んでいったら良いのかという難しい問題に直面します。何でもかんでも難しいものをやれば良いのではなく、学習の順序が大事です。

 これは、セミナー等でよく話すことですが、教育は、学力を引き上げることが大事ですから、一歩先の難しい問題に挑戦させることが効果の上がる方法だと私は考えています。2歩も3歩も先の難しい問題をやらせても、教育効果の点からすればあまり効果は上がりません。1歩先が何で2歩先3歩先が何で・・・・ということを明確にしておかなくてはだめです。一歩先にある難しい課題は、ちょっと背伸びすれば解ける・・・というもので、これを与え続けることが一番良い学習になるはずです。しかし、一歩先が何であるかの見極めをつけることは並大抵なことではありません。

 学習の順序性を踏まえない「難問トレーニング」では、子どもは自信をなくすだけです。ひとりでとっくんシリーズの問題を見てください。最初の5枚と最後の5枚では、難易度に相当の開きがありますが、これこそが、一歩先の問題を順序よく並べた結果なのです。また、ひとりでとっくん365日は、学習の順序性を踏まえた問題集ですが、ここにも一歩先の問題がどんな問題なのかをはっきりとした形で提示していますので、参考にしてください。

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