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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

貴重なご意見ありがとうございます

第804号 2022年3月4日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 2月23日の午前中、「将来の学びにつなげる小学校受験」と題したオンラインセミナーを開催しました。500名以上の保護者さま、教育関係者の方にお申し込みいただきました。今回は「将来の学びにつなげる小学校受験」と題し、
  1. 最近の小学校受験の傾向
  2. 2022年度入試の特徴とその背景
  3. なぜ、ペーパートレーニングだけではだめなのか
  4. 何を大切に受験対策をすべきか
の4つの柱でお話しさせていただきました。今年受験される新年長児の保護者さまだけでなく、新年中・新年少児の保護者さまにも大勢ご参加いただきました。また100名を超える0歳から2歳児の保護者さまにもご参加いただき、「小学校受験」の関心の高さに改めて驚いています。アンケートの結果、集団授業の塾に通われている方や個人レッスンを受けている方が50%ほどいらっしゃる反面、家庭で学習されている方も25%ほどいらっしゃる現状もわかりました。

特に今回は、受験の正確な情報をお持ちでない方や、偏った情報で小学校受験を正しく理解されていない方のために、最近の入試傾向をできるだけ詳しくお伝えしました。特に、受け入れる学校側の変化や、受験される皆さまの小学校受験に対する考え方の変化を具体的にお伝えしました。将来の進学も考えて、最初の学校選びを慎重に行う必要があることを強調しました。コロナ禍で行われた2回目の試験の様子を学力面と行動観察面で分析し、それ以前の入試との比較をしました。今回のセミナーを通してぜひともお伝えしたかったことは、小学校受験の対策には特別な教育が必要なのではなく、まともな幼児教育の延長上で捉えていただきたいということ、特にペーパートレーニングに象徴される訓練教育ではないことを、具体的な問題例を紹介しながら解説いたしました。そのうえで、日々の生活や遊びの中に学びのチャンスがたくさんあること、試行錯誤しながら問題を解決していく経験がどれほど大事かをお伝えしました。ある学校の願書配布の際に配られた小冊子にあった「子育ての総決算としての小学校受験を」というお話には大勢の皆さまが関心を寄せられ、現在の対策の在り方を振り返るきっかけになっていることが視聴後のアンケートを通してよくわかりました。と同時に、情報も開示されない小学校受験にどう取り組めばよいのか、多くの受験生の皆さまが戸惑っている様子もわかりました。今年度の東京都立立川国際中等教育学校附属小学校 のように、入試にかかわる情報を多くの学校で開示していただければ、こうした混乱も少しは改善されるのではないかと思います。将来の学びの基礎となる幼児教育が実際の入試にも対応できることをお伝えし、間違った受験対策で子どもの主体性を奪ってしまわないようにお願いしました。

講演終了後、大勢の視聴者の皆さまからご意見・ご感想をお寄せいただきました。ぜひこれからの実践活動に生かしていきたいと思います。

皆さまからいただいたご意見・ご感想

  • 小学校受験に関する過去から今の流れが分かり、思考型によってきた入試の背景も理解できました。
  • 過去問を早くから覚え込ませても意味がないという点、すごく腑に落ちました。
  • 幼児期に早期教育(読み・書き・計算)をさせる園が増え、その需要も高まっていることに違和感を感じていました。 今日のお話を聞いて、子育てで本当に大切にしたいこと、何をするべきかに自信がもてました。
  • 学校側の方針の遍歴や今求められてることなど、非常に有益な情報をありがとうございました。
  • 受験を経験した兄弟の受験対策が本当に良かったのか、改めて考えてしまいまいました。 下の子はまだ小学校受験までに時間がありますが、今日のセミナーで得たことを活かして 家族で取り組めたらと思いました。
  • 小学校受験に対して合格することに意識が向きがちなところ、子育ての集大成という考え方に共感いたしました。
  • ペーパーテスト対策の訓練ではなく、普段の生活や遊びの中での学びが、小学校受験ひいてはその後において大変重要である、という点が非常に参考になりました。
  • 塾に通わずに家庭学習をしているので、今後どのように対策をしていけば良いか、大変参考になりました。
  • 長期的な視点で考えることの大切さを学びました。小学校受験に向けての家庭学習が学ぶ意欲を低下させてしまうという部分がとても印象的でした。小学校受験への向き合い方を見直すきっかけになりました。
  • 小学校受験はつめこみ教育、子どもがつらいと感じる教育だと感じておりました。しかし、本日の講演会を聞かせていただき、印象がガラッと変わりました。これからの子どもたちにどのような力が必要なのか、求められているのかが分かりました。家庭学習の方向性、家庭での子どもとの付き合い方にヒントとなりました。実践できるように取り組んでいきたいと思います。
  • 現在、生後10か月ですが今後の親子のかかわり方の参考になりました。
  • 我が家では今のところ小学校受験は考えておりませんが、小学校受験とはどんなものなのか、合格されるお子様はどんな方なのか知ることができました。自宅育児をしていく上で、どのように子を育て、子どもと関わっていけばよいか、大変勉強になりました。
  • 小学校受験の結果、燃え尽きて勉強嫌いになり私立小学生の学力が低下しているというお話は衝撃的でした。本末転倒なので、「楽しみながら受験する」ことを念頭に取り組んで参ります。
  • 先日幼児教室でIQテストを行うことがありましたが、本日の歴史を聞き、なぜ行ったのかが腑に落ちました。また、受験に向けての勉強となってしまっていましたが、家庭での生活なのだと改めて反省しました。
  • 小学校受験の前に基礎教育が大事だと改めてわかりました。また、受験は子育ての総決算とのお話をいただき、日々の時間を大切にしたいと思いました。
  • 昨今、具体物を使用せずにひたすら難問を解かせたり、宿題として多量のペーパーを課す幼児教室が台頭しております。本日のお話を伺い、幼児期に子どもたちが自分で考え、丁寧に学べる環境を確保することの大切さを改めて実感いたしました。
  • 大変興味深く視聴させていただきました。海外在住のため日本の様子が分からない中、近年の状況、求められていることを分かりやすくまとめてくださっていたので、大変参考になりました。
  • 訓練を重ねるだけではなく、学ぶ事の本質を見極め小学校以降の学びに繋がる取り組みの先に小学校の試験があると考え日々取り組んでまいりましたが、代表のお話を拝聴してこのまま子どもを信じて継続していこうという思いを新たにいたしました。
  • 幼児教育が将来の学びの土台となるというのが非常に印象的でした。小学校入試の合否にかかわらず、主体的に学び、考える習慣を身に付けることを目標に子どもに接したいと思いました。
  • オンラインでの開催で、非常に安心かつリラックスして受講でき、聴講に集中できました。 小学校受験の全体像に加えて求められる能力や、子育てにおいて何を重視したら良いかが理解できました。日々の暮らしの中でいかに楽しく意欲を育てながら能力を伸ばしていけるかを考えて子どもと接したいと強く思いました。また昨今の子どもたちの学力低下問題は、日本の将来を考えると非常に危惧するべき事項である為、保護者として真摯に子育てに対応したいと思った次第です。
  • 働いている母親です。遊びの中で学習のチャンスを作るよう心掛けたいと思いました。自主的に考える、お友だちと協力する、主体性を持つ、といった行動ができる子どもを学校は求めているのだとわかり、とても勉強になりました。

まだまだたくさんのご意見・ご感想をいただきましたが、今回はその一部を紹介させていただきました。今後も「オンラインセミナー」の形で、子育てに役立てていただける具体的なお話をさせていただきたいと思います。

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