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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

11月1日 入試本番

第79号 2006/11/03(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

朝5時起床。子どもたちからの電話を受けるために、6時に出社。部屋に入ったとたん、最初の電話がかかる。Rちゃんからの電話だ。8時半から始まる試験に備え、いつもより早く起きて、出かける支度を終えたところだという。「おはようRちゃん。眠くない?今日はこれから学校に行くんだね。先生の話を落ち着いてよく聞いてね。初めての問題でもお話をしっかり聞けば、わかるから心配しないでね。それから、元気な笑顔でがんばってきてね。いってらっしゃい。」うなずきながら私の話を聞いている様子が伝わってくるが、やや緊張気味だ。でも最後は元気な声で「行ってきまーす」と言って、電話を置いた。

それから11時まで、大勢の子どもたちから電話がかかる。家を出て電車を待つ駅のホームから、かけて来た子も何人かいた。こちらの声が聞き取りにくいのか「先生、これから○○小学校にいってきます。お話をよく聞いてがんばってくるからね」と大きな声で一気にしゃべりまくるAちゃん。いつもと同じ元気さが伝わりほっとした。

6時45分すぎに、大きな声で「先生おはようございます」と電話をかけてきたのはKちゃんだ。Kちゃんは毎日近くの公園でラジオ体操に参加している子だが、今日もいつもと同じようにラジオ体操を終え、その場から電話をしてきたという。試験時間が10時過ぎとはいえ、入試当日まで、いつもと変わることなくラジオ体操に参加するということは、誰にでもできることではない。「入試まで、普段どおりの生活を送ってください」と私がセミナーで言ったことを、実行されたようだ。あの電話の元気な声も、いつもと同じラジオ体操で体を動かした結果かもしれない・・・

11月1日に数校を併願する子は、試験が終わると次の学校へ移動する。大変なことだが、事前に移動の方法を綿密に調べ、お父さんにも協力してもらい、遅刻しないように気を使う。以前、オートバイで移動したという親子もいた。

午後になると、試験を終えた子どもたちが、試験問題の聞き取りのために、教室に立ち寄ってくれた。こうした子どもたちの協力があってこそ、公開されない入試問題がひとつひとつ判明していく。今年も、時間制限が相当厳しかったようだ。

夕方5時。東京女学館のAO入試の発表があった。10名が合格をいただいた。今年も、幸先の良いスタートがきれたと思う。これから数日間、新たな学校の入試が始まり、それと同時に発表も続く。1年間、あれだけがんばった子どもたち。全員が希望する学校に合格できればと祈りつつ、いつも入試の厳しい現実に直面する。国立の入試が終わる12月半ばすぎまで、子どもたちの挑戦は続く。

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