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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

海外からの受験者が増えています

第70号 2006/08/24(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 最近、幼児期を海外で過ごし、就学にあわせて帰国する方々の受験相談が増えています。今年も、アメリカ・イギリス・中国から、夏休みを利用して一時帰国し、夏季講習会に参加するケースがありました。また、これまでも、父親の転勤で幼児期を地方で過ごし、子どもの就学に合わせて東京に戻る予定にしている方々が、受験準備のために季節講習会に通うケースもたくさんありました。海外で生活している方々の一番の悩みは、どのような環境で学校生活を送らせたらいいのかということですが、国によって教育システムが違うため、学校選択には相当迷うようです。特に、基礎学力を身につける義務教育期間に関しては、「できれば日本で・・・」と考える方が多いようです。私学の場合は編入という手段もありますが、人数に制限があるため、できれば小学校受験をさせて入学させたいと考えるようです。父親がすぐには戻れないために、母と子だけが1年早めに戻ってくるというケースもよくあります。

 11月の入試にあわせて、7月頃にいったん帰国されるケースが多いのですが、7月頃といえば、日本でがんばっている受験生にとっては、難しい問題に挑戦し、応用問題で力を磨く時期でもあります。夏季の講習会もそうした前提で内容が設定されていますので、その時期から初めて受験対策をするというわけにはいきません。講習会の内容もかなり応用問題が多いので、理解できずに、自信をなくしてしまうのが一番困るのです。

 そこで、数年前から、そうした方々の要望に応えようと、「地方・海外在住者のための学習支援システム」を作りました。それは、会員の皆さまと同じ方針で、家庭学習を進めるシステムです。幸いこぐま会には、系統だったカリキュラムがあり、それに伴って教具や単元別の問題集も準備してあります。ご家庭と連携して学習を進め、季節講習会に参加しても、十分対応できるだけの力を家庭学習で身につけてもらっています。家庭での学習になると、ペーパー中心になりがちですが、それでは、論理的思考力は身につきませんので、カリキュラムに合わせて教具やカード教材をたくさん使用してもらっています。また、メール等で連絡を取り合い、海外にいても十分な受験対策ができるように、支援しています。

 4月以降、ニューヨークの紀伊国屋書店でも、こぐま会の教材が購入できるようになりました。私も夏休みを利用して、ニューヨークに赴き、挨拶かたがたご協力をお願いしてきました。今後は、上海でもこぐま会の授業が受けられるように、準備を進めています。海外赴任が決まった時、ご両親が一番悩むのが子どもの教育のことです。特に、幼児の場合が大変です。小学校を受験する、しないに関係なく、子どもの基礎学力を育成するお手伝いを、こぐま会としても続けていきますし、今以上のネットワーク作りに力を注ぎたいと思います。

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