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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

「ひとりでとっくん365日」中国版が発売されました

第670号 2019年4月19日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 4月12日より15日まで上海を訪問し、「ひとりでとっくん365日」中国版の発売を記念した講演会・イベントに参加してきました。「ひとりでとっくん365日」は、以前から正規の契約をしないまま海賊版が発行され、ネットにおいては10社ほどが販売している状況でした。それを排除する意味も含め、この度、上海の大手出版社である広西師範大学出版社と契約し、中国で唯一正式な契約を交わした問題集として販売することになりました。

13日には「青少年活動センター」において、大学の先生や幼稚園・保育園の園長先生を対象に、100名ほどの講演会とディスカッションを行いました。また、夜には上海の大手書店で講演会とサイン会を行いました。14日には、提携している東方小熊の教室がある未来教育センターにおいて著名な司会者をお呼びし、ひとりでとっくん365日の販売会とサイン会を行いました。大勢の親子連れの皆さまにお越しいただき、楽しいサイン会になりました。来場者の中には、日本の大学に留学経験のあるお母さまもいらっしゃいました。私の話にうなずきながら聞かれていたので、日本の方かと思ってしまいましたが、早稲田大学に留学されていたとのことでした。また、上海にある日本人学校に勤務されていた方もいらっしゃいました。教え込みの中国の教育に疑問を感じて参加されている方も大勢いらっしゃいました。また、「日本から導入された「式」の教育を受けさせているが、どうも効果が見られず、どうしたらよいか」といった相談も受けました。


幼児教育に関しては、中国をはじめとする東アジアや東南アジアの国々の方のほうが日本よりも熱心なように思います。それは、見方を変えれば子どもにかける期待が大きいということでもあるのです。今回の中国とはまた別の意味になりますが、シンガポールの過熱した親の期待には驚きました。小学校から中学校に上がるときに大変重要な試験があるようで、そのために幼児期から相当のお金をかけ、子どもたちを教育しているようです。しかし、そこで行われている教育がほとんど詰め込み式であるため、それに疑問を持っている方々に、考える力を育てる「KUNOメソッド」が支持されているようです。


通訳を介した講演会ですから、1時間といっても正味30分程度しかお話をすることができません。そのため、できる限り具体的で分かりやすい話にまとめ、KUNOメソッドの内容と方法をお伝えしました。海外に出向いて講演会をするには、相当の労力が必要です。言葉の壁もあり、本当に正確に伝わっているのだろうかと時々心配にもなります。また、講演会だけでなく、関係者とのミーティングや職員の研修会も担当しなければなりません。夜は、歓迎会や交流会なども用意されています。3泊4日といえども、朝から晩までびっしりのスケジュールが組まれており、70代に入った身体には厳しいものがあります。しかし、そうした大変さもありながら、
  1. その国の幼児教育が理解でき、日本の幼児教育の良い点も悪い点も見えてくる
  2. 大学の教授をはじめ、教育関係者との新たな出会いがたくさんあり、その後の交流につながっている
  3. 日本に留学経験のある現地の保護者の方と交流ができ、教育に対する考え方や悩みを聞くことができ、大変参考になっている
など、1人で出向いてもできない多くの経験を積むことができるのは、貴重なことだと思います。経済発展をはじめ、いろいろな面でその動向が世界から注目されている中国で、「KUNOメソッド」が日本発の幼児教育として普及していけば、私たち職員にとってはとても喜ばしいことだと思います。「KUNOメソッド」が中国の皆さまに支持され、正当に普及していくことを願っています。今回のセミナーやイベントが現地の新聞や雑誌などで報道されましたので、そのいくつかをご紹介いたします。

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