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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

南京教室開校に向けた、上海での職員研修会

第602号 2017年12月1日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 11月25日から28日まで 1年ぶりに上海を訪れました。今回の訪問は、3月から本格開校する「南京こぐま会」の授業を担当する職員向けの研修会を行うためでした。中国は、今「幼児教育ブーム」のようです。一人っ子政策が解除されたベビーブームの今、アメリカを中心とした幼児教育関連企業が、こぞって幼児教育ビジネスに参入しているようです。こぐま会は、10年前から上海で提携教室を開き(百花学習塾)、いまや小学校受験に関する教室としては、上海で一番有名になったようです。この塾が新聞やテレビで報道されて以降、ぜひメソッドを提供してほしいというオファーが、中国各地の企業・病院など5カ所からありました。そのひとつである、日本語学校を経営しているある企業が幼児教育事業に参入したいということで、小学校受験ではなく「幼児期の基礎教育」としての教室を、来年3月から本格開校する予定です。すでに教室は完成していますので、現場に立つ先生方の指導力を強化するために上海に集まっていただき、2日間にわたって朝から夕方まで、毎日6時間の研修を行いました。その内容は以下のとおりです。

11月26日(日)
 10:00~13:00 「理論研修」
  • 3つの教育理念とは何か
  • KUNOメソッド3段階学習法の実際
  • 大切な10の思考法について
 14:00~17:00 「実践研修 (1)」
  • 年長クラス1年間のカリキュラム解説
  • その中で、「重さくらべ」と「立体構成」について詳しく解説
  • 教師の指導書の作り方
  • チーフとサブの役割分担について
11月27日(月)
 9:00~12:00 「実践研修 (2)」
  • 年中・年少のカリキュラム解説
  • 未測量・位置表象の授業を詳しく伝える
  • 授業の進め方について
  • 発達診断テストの内容と結果処理について
  • 年中・年少向けテストの詳細説明
 14:00~17:00 「実践研修 (3) 授業運営の方法について」
  • カリキュラムの改善方法
  • 評価表の作成
  • 個人カルテ(授業記録)の記録の仕方について
  • テスト運営の仕方(その内容と方法)
  • 保護者への説明の仕方
  • 保護者面接の重要性
  • 家庭用教材の配布とその活用法

今回開校する南京教室は、日本の大学や大学院で学び、本国に帰って大学の教師をされたり、弁護士などの専門職について活躍されている方々がバックで支えてくださっています。特に教育系大学で有名な、華東師範大学出身の皆さまが応援してくださっており、私たちにとっては大変ありがたい環境で開校できそうです。これまで提携してきた上海の百花学習塾は、上海における小学校受験塾で有名ですが、これから始まる「こぐま会南京校」は、大学や幼稚園と協力して、中国の子どもたちにKUNOメソッドによる「幼児期の基礎教育」をしっかり受けてもらうために開校するものです。ですから、教え込みの教育とは違い、事物教育中心の授業にならざるを得ません。ここで中国の方々の支持を得られれば、中国各地に拡大するチャンスが生まれて来ます。通信教育等も含め、日本では考えられない規模で拡大していくはずです。ビジネス先行の商業主義のパートナーと違い、本当に中国の子どもたちの未来を考えた方々との共同事業ですから、何としてでも成功させなければなりません。これまで、韓国・中国・ベトナム・インド・タイで行ってきた教室事業の経験を活かし、一番大事な人材育成に最大限の力を注いで成功させたいと思います。来年1月からはシンガポール現地人向けの教室、そして2月からはシンガポール在住の日本人向けの教室も始まります。日本での授業の合間を縫って、講演会・模擬授業・発達診断テスト・職員研修会等をやらなくてはならず、当分この忙しさは続きそうです。

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