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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

合格のための学習法(2)暗算能力をどう高めるか

第58号 2006/05/25(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 11月から始まったばらクラス(受験クラス)も、7ヶ月近くかけた基礎段階の学習を終え、入試レベルの問題も解けるようになりました。学力試験の中心となる数の領域の学習も、私たちの教室では、これまで具体物を使って、次のようなテーマの学習を終えました。

分類計数・数の構成・一対一対応・一対多対応・包含除・等分・分類

 つまり四則演算の基礎は一応学習したことになり、入試問題を解く基礎は十分出来あがったことになります。これから行う応用段階の学習は、こうした数の操作の基本を踏まえ、「複合問題」が対策の中心になります。ひとつの答えを出すのに、一度答えを出し、その出した答えに基づいて違った数の操作をして求められている答えを出すというものです。違った数の操作をしなくてはならない点が複合問題のひとつの特徴ですが、こうした複合問題において中心となる数の操作は、掛け算の基礎となる「一対多対応」の考え方です。この一対多対応の考え方は、いろいろな場面で要求されてきます。

 複合問題は、違った数の操作をするわけですが、たとえば次のような問題がその典型です。
 「花子さんは、友達と一緒に3人で遊んでいます。少したつとまた2人来ましたが、2時ごろそのうちの一人が帰りました。お母さんは3時のおやつが近くなったのでおやつを用意しようと考えました。今遊んでいる子どもたちに、ひとり3枚ずつおせんべいをあげたいと思い、缶の中を見ましたが8枚しかありません。あと何枚買ってくればいいですか」

 この問題は、「数の増減」と「一対多対応」および「数の多少」の複合問題ですが、こうした複合問題を解く際に、必要となるのが「暗算能力」です。簡単に答えの出る問題を、いちいちペーパー上で作業していたのでは、時間が足りません。指を使っていたのでは間違いも多く、時間もかかります。頭の中で数を操作する能力を身につけておかなくては、入試問題はお手上げです。この「暗算能力」をどこまで高めておくかが、これからの数の学習における最大の課題ですが、私たちの経験では、8月の終わりごろまでに全員が暗算できるようになります。そのためにどうするか。3つの段階があります。

  1. まず具体物を操作することで答えを導く(この段階で絶対に指を使わせない)
  2. 具体的な場面がイメージできるペーパーを使って問題を解く
  3. 同じような問題を、解答欄しか与えないで、頭で考えさせる

 同じ趣旨の問題を、この3つのステップをしっかり踏まえてやれば、確実に暗算能力は身につきます。これから夏に向けての課題とし、挑戦させてみてください。

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