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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

第2回 KUN0メソッド交流会を終えて

第558号 2016年12月9日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 私が開発した「KUNOメソッド」の内容を、東京の教室に通えない子どもたちや受験をしない子どもたちに、それぞれの分野で得意とする方法で送り届ける仕事をしていただいている企業の皆さまにお集まりいただき、情報交換をしたり、これからの仕事の方向性を話し合う交流会を行いました。昨年12月に行った第1回交流会に続き、今回が2回目になります。こぐま会と提携している企業は現在17社に及びます。コンテンツを提供し、さまざまな形で全国の子どもたち、アジアの子どもたちにその内容を送り届けています。17社の内訳は以下のようになります。
1. 国内教室事業6社
2. 海外教室事業7社
3. 出版事業2社
4. ICT教育事業2社
こうした企業・法人の方々にお集まりいただき、1年間の活動と今後の方針について情報を共有し、全体として今の幼児教育の関心の高まりにどのように対処すべきかの意見交換をしました。

国内における教室事業は、受験のあるなしに関係なく、幼児期の基礎教育を地方の皆さまにお届けするという想いで行っています。海外事業は、現地在住の日本人のみならず、その国の方々に向けた教育サービスとして行っています。来年7月からはじまるシンガポールでの教室展開は、KUNOメソッドが世界に通用するかどうかの試金石です。出版事業では、主に受験をしない子どもたちに良い教具や問題集を送り届けることを目的に新しく立ちあげた「100てんキッズ」「ハローキティ・ゼミ 」にメソッドを提供しています。通信教育事業は、タブレットをつかったチェックテストや、アニメのストーリーに沿って学習 するという、日本では初めての内容と方法で行う通信教育で、来年10月から開始する予定です。また、学校や自治体からの要請に基づき、私たちの経験を生かして教育の質を向上させる活動にも参加していく予定です。

40年以上にわたる教室での実践を踏まえてつくり上げたメソッドは、受験のためだけの教育内容ではありません。受験のあるなしに関係なく、幼児期にすべき学習を、事物教育を中心とした方法で行っていくメソッドです。受験はそうした基礎教育の成果の上に行われるものであり、受験のためだけに意味があるという教育内容ではありません。どんな道を進むにしても大切な基礎教育を幼児期からしっかり積みあげていく内容です。小学校受験は「良い環境で子どもを育てたい」と考える保護者の明確な教育要求によるもので、その要求にはできるかぎり真摯に向き合い、応えてきたつもりです。繰り返しますが、幼児期の基礎教育は受験のためだけにあるものではありません。その証拠に、受験はしないけれども将来の学力の基礎づくりとして、きちんとした幼児教育を受けさせたいと希望する保護者が増えているのも事実です。いまはそうした具体的な要求に答えながら、私たちは、将来すべての幼稚園・保育園で正しい知育が行われることを願っています。その時に「KUNOメソッド」がスタンダードになるように、これからも幅広い実践活動を継続し、その成果を目に見える形で提案していくつもりです。

幼児期の教育の大事さが叫ばれつつ、何をどう行ったらよいのかの具体案が何も出てこない現状に、「KUNOメソッド」の内容と方法が具体的に示され、それをもとに議論されていけば、抽象的な不毛な議論ではなく、極めて具体的な実のある議論が行われていくのではないかと期待しています。

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