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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

夏の課題

第539号 2016/7/22(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 こぐま会では、今週から夏季講習会が始まりました。秋の入試にとって大事な夏の学習を家庭でどのように行っていけばよいのか・・・多くの皆さまから寄せられる質問ですが、大事なことをいくつかお伝えします。

年長の夏は、いろいろな意味で大きく成長する時期です。例えば、最近ではほとんどの幼稚園や保育園で行っている合宿やお泊り保育は、教育上とても意味のあることです。親元を離れ、いろいろな経験をすることによって、自立心が一段と育ちます。その結果、9月以降の学習で積極的に取り組む子どもたちの姿を、毎年たくさん見てきました。年長の夏は、「飛躍の夏」でもあるのです。物事への取り組みにおける月齢差も、この時期になるとほとんど見られなくなり、月齢の低い子どもたちが、学習面でも大きく成長する夏です。こうした飛躍の夏に行う大事な受験対策には、いくつかのポイントがあります。これまで多くの合格者の皆さまが実践した「夏の対策」をお伝えしましょう。

1. 基礎学力が本当に身についているかどうか、基本学習ボードでもう一度確認する
ステップ4までの内容は、基本でありながら必ずその理解力を問われます。機械的に覚えこんでいないか、確認してください。
2. ペーパー学習は、たくさんの枚数をこなすより1枚のペーパーを大事にする
最近の入試においては、ペーパー問題は多くても8枚程度で、平均的には6枚ぐらいです。時間で言えば30分。この30分に集中できるかどうかが分かれ目です。一度に何十枚もやるペーパートレーニングは、あまり意味がありません。
3. その際、答えの根拠は必ず説明させる
理解できていてもいなくても、必ず説明させてください。そうすることによって、どこまで理解できているかいないかが判断できます。理解できていないところを学習課題にすべきです。
4. 試行錯誤しながら作業して解く問題を、数多くトレーニングする
最近の入試問題は、指示を聞き約束を守って作業し、その結果答えを導く問題が増えています。記憶していてできる問題ではありません。その意味で、作業して答えを導き出す経験が必要です。
5. 過去問対策は、受験する学校だけでなく、難易度の高い問題を出す学校にも挑戦する
どこまで難しくしたらよいか、その答えは入試問題の中にあります。模擬テスト等で出されるような難問奇問は出されません。どこまで難しくしたらよいのかは、実際の入試問題を分析すればわかることで、その中でも、雙葉小学校・聖心女子学院初等科・筑波大学附属小学校の問題は、「受験する - しない」に関係なくやっておいてください。
6. 指示の聞き取りが合否を分ける結果につながるので、しっかり聞けたかどうかの確認のために、子ども自身にどんな指示であったかを再現させる
指示がしっかり聞けるかどうか、これが最後の決め手です。答え合わせの際、問題文を読んであげたあと、すかさずどんな問題であったかを説明させてください。
7. 早起きの癖をつけるためと、模倣体操における協応動作に慣れるために、ラジオ体操(テレビ体操)を日課とする
行動観察でよく模倣体操が出されます。人の動きを見て模倣するわけですが、これはラジオ体操をするのが効果的です。生活リズムをつくるためにもお勧めです。
8. 絵日記をつける
夏の頑張り目標としてふさわしいし、体験画の練習にもなります。夏の経験を印象づけるためにも、ぜひ実行してください。
9. 毎週ひとつずつ生活の中で頑張る目標(※勉強以外)を決め、それが実行できたかを毎日シールなどを貼って確認する(がんばり表などで自己管理させる)
勉強以外でも頑張らせることは、自立心の育成、自信をつけるためにも効果があります。頑張った結果の達成感が、学習でも生かせられるようになるとよいと思います。
10. 子どもたちが苦手とする領域別学習課題で、この夏に解決しておかなければならない課題は以下の通り
未測量シーソーの五者関係 / つりあい
位置表象四方からの観察 / 飛び石移動 / 地図上の移動
一場面の総合問題 / 数のやりとり / 交換
図形対称図形 / 重ね図形 / 回転図形
言語一音一文字の応用 / 同音異義語 / 話の内容理解
生活 他観覧車 / 魔法の箱 / 法則性の理解 / 理科的常識

過去において、多くの受験生が実践し、合格につながった「夏の対策」です。ぜひ実行してください。

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