週刊こぐま通信
「室長のコラム」第3回室長特別受験セミナーを終えて
第536号 2016/7/1(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

こぐま会女子校合格フェアの後を受け、5月下旬以降はじめた「室長特別受験セミナー」の第3回目を6月28日(火)に行いました。今回のテーマは、「雙葉・聖心合格のための夏の対策」です。平日にもかかわらず、募集開始初日で60名のお申し込みがあり、すぐに満席となりました。それだけ受験生の皆さまにとって関心の高いテーマであることが伺えます。なぜこの2校を最初に取り上げたか。その理由は以下の通りです。
- こぐま会に通われている皆さまの中でも、両校を第1志望校として考えている方が多いこと
- 私自身が、30年以上にわたり両校の指導に携わってきたこと
- 小学校入試の問題づくりにおいて、この2校はリーダー的存在であること
- 最近の傾向である「考える力が求められる問題」「指示をしっかり聞き、作業して答えを導き出す問題」が多く出され、それが他校に波及している現実があること
- 「雙葉・聖心合格のための夏の対策」
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(1) 雙葉小学校の最近の出題傾向の分析と合格対策
(2) 聖心女子学院初等科の最近の出題傾向の分析と合格対策
(3) 両校受験に必要な難問対策として夏にすべき12の課題
(4) それぞれの学校の特徴的な問題とその対策
両校の過去10年間の問題を一覧表にし、日常行う授業のどの領域から多くの問題が出されているかを分析しました。また、最近出された問題の中で、工夫された難しい問題をそれぞれ16問ずつ紹介し、そこで求められている思考法を分析しました。その上で、この夏に力を入れたい12の項目を提示し、どこで子どもはつまづくか、その壁を乗り越えるために何をどう学習すればよいかを具体的にお伝えしました。両校受験のために、この夏どうしても取り組んでおきたい12の課題は以下の通りです。
- シーソー・つりあい
- じゃんけん推理
- 飛び石移動
- 交換
- 数のやりとり
- 数の増減 (魔法の箱・暗算)
- 図形構成
- 折り紙を使った課題
- 対称図形
- 一音一文字
- 話の内容理解
- 回転推理
また、難しい問題に取り組ませた時こそ、正解でも不正解でも「どのように考えたか」を言葉で説明させてください。そのことによって、どこまで理解し、どこから分からなくなっているのかが把握できます。不正解でも、あと一歩のところでの不正解なのか、全く理解できていない間違いなのかを、しっかり把握することが大事です。あと一歩で不正解だった子にも「そこまでよく頑張ったね」と評価してあげなくては、子どもが自分で考えようとする姿勢の芽を摘み取ってしまうことになります。答えを導き出すプロセスこそ大事にしてあげなくてはなりません。その意味で、間違えた時こそ、学習の最大のチャンスなのです。