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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

女子校合格フェアでお伝えしたこと

第529号 2016/5/13(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 4月24日からはじまった女子校合格フェアも、5月4日のセミナーをもって無事終了しました。今年のテーマは「学校が変わる」。時代の変化に合わせ、学校側も変わらざるを得ない状況にあります。その変わらざるを得ない時代背景を分析し、具体的な学校側の改革を紹介する中で、「入試の内容と方法も変わる」ことを明らかにしました。
5月1日に行った基調講演「学校が変わる」と、5月4日に行ったセミナー「年中から始める小学校受験対策」では、次のようなお話をいたしました。

【女子校合格フェア】

基調講演 「学校が変わる」
- 求められる家庭像 -
  1. 何が変わってきているのか
    a. 学校運営の改革
    b. 入試改革
    c. 合否判定に見られる好ましい子ども像
  2. 変わる背景
    a. 社会の変化
    b. 私立小学校に求めるものの変化
    c. 学校が求める子ども像の変化
    d. 現在の受験対策の在り方への警鐘
  3. 入試問題はどう変わりつつあるか
    a. どんな能力を見ようとしているか
    b. 行動観察で何を見ようとしているのか
  4. 変わる入試にどう対応するか
    a. 入試対策の在り方
    b. 求められる家庭像

正しい受験法
「年中から始める小学校受験対策」
  1. 入試の現状とこれからの入試の行方
  2. 改革に向けた学校の取り組み
  3. 間違った受験対策について、学校側からの警鐘
  4. どのような考え方で、入試に向けた準備を進めるべきか
  5. こぐま会の取り組み
  6. 間違った受験対策で、子どもの成長の芽を摘み取らないように
    - 学校生活のスタートとして万全な取り組みを

2回のセミナーで私が明らかにしたことは、

1. リーマンショック・東日本大震災後の受験者減少の中で、学校側も魅力ある学校づくりを進めざるを得ない状況にある
2. 働くお母さまを支援するために、アフタースクールを充実させ、学童保育を導入する学校が増えている
3. これからの時代に求められる「考える力」がどれだけ身についているかを見るために、入試問題の作成に相当力を入れ、訓練だけで解けてしまうような問題は、できるだけ出題しない方針を明確に持ち始めている
4. 入学してきた子どもたちのその後の成長を追跡した時、明らかに「幼児教室」で行っている詰め込み式の「型」を教え込む教育は良くないと、学校側から警告メッセージが出され始めている
5. その結果、指示をしっかり聞き、試行錯誤して問題を解いていくような、工夫された問題が多く出されている
6. 行動観察において、今はやりの「非認知能力」が問われ、自分で考え・自分で判断し・自分で行動できる子をどの学校も求め始めている。学力だけでは合格できない現実が小学校入試の特徴であるということが、より明確になってきている
7. 面接試験では、父親の子育て参加が問われ、父親の果たす役割が増している。その結果として、家庭の考え方が学校側と同じ方向を向いているかどうかが確認されている

これから小学校に入学する子どもたちが、社会に出て活躍する20年後の社会を想定した時、どの学校を卒業したか以上に、どんな能力を身につけているかが問われます。それは、「考える力」がどれだけ身についているかだけでなく、自らやりぬく意思をどれだけ持っているか等も求められるということです。つまり、社会に出て成功する者は、「認知能力」だけでなく「非認知能力」も十分身につけていることが求められます。これから始まる大学の入試改革もそうした方向で行われていくはずですが、小学校入試も例外ではありません。入試のためとは言え、大事な幼児期に間違った教育を行ってはいけません。入試を動機づけとしながらも、幼児期の基礎教育をきちんと行うことが、将来の成長の礎を築くことになるはずです。正しい方法で受験対策が行われることを強く願っています。

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