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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

最後の土曜ゼミ

第498号 2015/9/11(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 神奈川県の学校では面接も始まり、いよいよ今年の入試がスタートしました。9月5日(土)18時半より、今年度最後の父親勉強会である「第5回 土曜ゼミ」を行いました。今回は、入試間近であるということを踏まえ、最後の学習点検と、これから始まる願書面接対策について、担当責任者から報告いたしました。その後、2名の卒業生のお父さまに、学校選びについてのアドバイスや入試直前の過ごし方について、体験談をお話しいただきました。学習面についての点検事項は、先日行った母親ゼミと同じ資料を使い、各領域のポイントとなる問題と、子どもがどこでつまずくかを具体的に明らかにしました。

その中で、もう一度チェックしていただきたい点をピックアップして強調しました。その重要な点とは、

1. 未測量シーソー・関係推理・つり合い
2. 位置表象四方からの観察・地図上の移動・飛び石移動・回転位置移動
3. 数暗算・一対多対応・交換・数のやり取り・一場面の総合問題
4. 図形図形模写・線対称・重ね図形・回転図形・図形構成(三角パズル)
5. 言語話の内容理解・お話づくり・一音一文字・同音異議語

それとの関連で、最近の授業中の子どもたちの様子も伝え、できる限りこれまでの学習方法を継続し、生活リズムを維持しながら本試験を迎えるようにしていただきたい旨を伝えました。入試直前だからといって学習方法を変えるのは、子どもにとって一番良くありません。焦れば焦るほど、詰め込みに陥りがちな勉強法になってしまいますが、そんなやり方で乗り越えられるほど、最近の入試問題は単純ではありません。じっくり考え、自分で答えを出すやり方を最後まで継続しなければなりません。
ところで、願書面接対策責任者からは、願書を書くにあたっての注意事項と、面接を受ける際の心構えを伝えました。その中で特に重要なのは、以下の通りです。

【願書のポイント】
1. 志望理由を書く際、学校側が訴えていることを正確にキャッチし、どこに共感したかを具体的に書くこと
2. 他の学校にも通用するような一般論は書かないこと
3. 学校の方針と家庭の方針が一致していることを明確にすること
4. 具体例を盛り込んでわかりやすく書くこと。模範解答のようなものは書かないこと
【面接のポイント】
1. 聞かれていることのみを答えること
2. 理屈っぽくならないこと
3. 家庭のことや子どものことについてはエピソードを交えて話し、面接官がどんな家庭なのかをイメージできるように具体的に述べること
4. 子どもと同じように、ご両親も相手の目を見て、明るく話すこと
5. 公立校の批判・他校との比較をしないこと
6. 質問内容を想定して答えを頭に刷りこんでいっても、実際は役に立たず、かえって何も答えられずに黙ってしまう例をたくさん見てきているので、そうしたことは絶対にしないこと
【面接時にお父さまがよく聞かれる質問 10項目】
1. 志望理由
2. 子どものよいところ
3. 休日に子どもとどのように過ごしているか
4. 父親として子育てにどのように参加しているか
5. 最近、子どもを見て成長したと思える点
6. なぜ女子校(男子校/共学校/私立校)を選択したか
7. 自分の生活信条
8. いま子どもが頑張っていること、夢中になっていること
9. 学校の教育を通して、将来どのように育つことを期待するか
10. 子どもの名前の由来

最後にOBの方からアドバイスをしていただきましたが、そのポイントは、

1. これまでの学習方法を継続すること
2. 生活リズムを変化させないこと
3. 幼稚園や保育園を休ませて受験対策に走らないこと。最後の日まで、普段の生活を続けること
4. 入試直前になったら難しい問題に挑戦させるのではなく、これまで学んできたことが着実に発揮できるよう、定着を図ること

以上、それぞれの立場から入試直前の対策のあり方をお伝えしました。セミナー後の懇親会では、お一人ずつ小学校受験に関わった感想を述べていただきました。結果はまだ分かりませんが、どなたも、こんなに充実した1年はなかったと話されていました。「受験がなかったら、子どものことについて、こんなに夫婦で向き合うことはなかったと思います」・・・毎年聞かれる感想ですが、これこそこれからの人生で大切なものだといつも思います。そうしたお父さま方の感想を伺って、最後に私は、次のような想いをお伝えしました。
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こぐま会のKUNOメソッドは、今、幼児教育関係者から注目されています。43年間、現場で子どもたちの指導に当たってきましたが、私は、ただ受験で合格できればよいという想いでやってきたわけではありません。小学校受験での「合格」はとりあえずのゴールでありますが、しかし、また新たなスタートの時でもあります。これからの長い学習生活の中で、幼児期の基礎教育が意味を持つよう、まともな方法で指導してきました。ペーパーだけをやらせて受験対策をするのではなく、事物教育や対話教育を通し、本物の幼児教育を実践し、「考える力」の育成に力を注ぎ、その結果として、合格を目指す受験指導をしてきました。これまでの積み重ねは、合否に関わらず、きっと子どもたちの成長の礎になっていくはずです。ですから、自信を持って試験に臨んでください。
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22時過ぎ、「試験が終わった後またお会いしましょう」と約束して散会いたしました。

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