週刊こぐま通信
「室長のコラム」新傾向問題の取り組みと夏の学習法
第491号 2015/7/17(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

こぐま会では、今週から夏季講習会が始まりました。これから8月末までの1カ月半、毎日朝から夕方まで、子どもたちの元気な声が教室に響くことでしょう。夏休みは、秋の受験にとってとても大事な学習期間ですが、やり方を間違えると、9月・10月の一番大事な時期に失速してしまいます。入試本番を一番良い状態で迎えるために、この夏をどう乗り切るか。一人一人に合った学習プランを考えてあげなくてはなりません。大事な時期だからと言って、毎日を勉強漬けにしてしまったら、その反動は必ず9月にやってきます。良く遊び、良く学び・・・メリハリをつけた生活を送らないといけません。年長の夏はいろいろな意味で「飛躍の夏」ですから、初めての経験もたくさん積んでいただきたいと思います。
7月12日(日)に、「新傾向問題へのアプローチの仕方と、夏休みの効果的な学習法」と題したセミナーを開きました。「受験対策における夏休みの位置づけ」「新傾向の問題にどう取り組むか」ということで、大勢の受験生の皆さまが集まりました。特に今回は、新傾向の問題を具体的に示し、「子どもがどこでつまづくか」、「どのように導けばよいか」を具体的にお伝えしました。用意した過去問を配布し、どのような学習が有効かをお伝えしました。
- こぐま会代表セミナー
「新傾向問題へのアプローチの仕方と、夏休みの効果的な学習法」 - 入試の現状を踏まえた夏からの対策
- 新傾向問題の分析とアプローチの仕方
- 夏休みの効果的な学習法
- 夏にやるべきこと
- 夏の生活モデルプラン
- 入試本番を一番良い状態で迎えるために
特に今回の話の中心である「新傾向の問題分析とその対策」については、以下の15項目に課題を絞り、過去問を紹介しながら、具体的な指導法をお伝えしました。
- 夏休みに取り組まなければならない15の新傾向問題
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(1) 交換
(2) 言葉づくり
(3) 大きさの異なる三角形を基本とした図形構成
(4) じゃんけんによる関係推理
(5) 飛び石移動
(6) 個別単位の考え方
(7) つみ木を使った四方からの観察
(8) 言葉つなぎ
(9) つりあいの応用問題
(10) 正方形を基本とした図形構成
(11) 一場面を使った数の総合問題
(12) 線対称
(13) 重ね図形
(14) 常識問題
(15) 回転図形
以上15の課題を、この夏休みに克服しておくことが大事です。ペーパー学習だけでなく、具体物やカードを使った学習を心がけてください。特に新出問題に対処するためには、子ども自ら問題の意図と解き方を説明できなくてはなりません。そこまで深い学習が必要です。そのために、どんな手順で学習したらよいのか・・・今回のセミナーでは、その点を詳しくお伝えしました。あと少しのところで正解できる子どもの努力を認めてあげながら、その「あと少し」を乗りきれるよう、この夏の学習を徹底すべきです。また、こうした難しい問題を通して、何が理解でき、何が理解できていないのかといった「基礎学力」のチェックもできるはずです。
最後に、入試本番を一番良い状態で迎えるための「夏の生活モデルプラン」も紹介しました。朝型の勉強に切り替えること、ペーパーは量で勝負ではなく、どれだけ深く理解したかを大事にすること、30分間集中トレーニングに徹すること、ラジオ体操や絵日記を実行すること等、具体的にお伝えしました。