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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

これから受験準備を始める方へ

第447号 2014/8/8(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 夏季講習会には、今年受験する年長児だけでなく、来年受験する年中児(こぐま会ゆりクラス)も大勢参加しています。来年の受験に向けて、年中の夏から受験対策を始めるご家庭が毎年多くみられます。ゆりクラスへの入会者も9月が一番多いようです。都内の学校の入試は11月から始まりますが、神奈川県など11月より前に入試が行われる地域もあるため、こぐま会では3年ほど前から、入試準備のための「セブンステップスカリキュラム」を年中の9月からスタートさせてきました。従来は11月からでしたが、少しゆとりを持って「トレーニング」の時間を十分確保したいということもあり、ゆりクラスの年間カリキュラムを改善することによって、2カ月前倒しでも良いと判断したためです。その結果、年中9月から年長の夏休みまでに、入試に関する基本的な事項の学習を終え、8月の集中授業から、ステップ7のまとめの授業を含めた実践的なトレーニングに3カ月間かけることができるようになりました。単元別の学習を年長7月まで積み上げ、その上で、最近の入試問題の特徴である「複合問題」に象徴されるように、いくつかの領域にまたがって出題される応用問題に対処できるだけの学力の育成を目指してきました。その効果が入試結果として表れています。そのスタートとなる9月がまもなくやってきます。

ところで、こぐま会の指導法である「セブンステップスカリキュラム」は、次のような構成になっています。


1. ばらクラスの年間授業数を48週とする
2. 5つの領域+α すなわち、「未測量・位置表象・数・図形・言語・その他」の領域を、基礎から応用へと配列する。基礎段階の学習はステップ1~4までであり、6回の授業と2回のトレーニングを行う。5月の連休明けから応用段階の授業に入り、夏休みまでにすべての単元別学習を終える
3. 夏休みからの3カ月は、それまで学習した単元学習を総合し、複合問題に象徴されるような領域間にまたがって出題される問題のトレーニングを積む
4. 9月半ば以降は基本問題に戻り、各領域のチェックを踏まえ、自信を持たせて本試験を迎える

それぞれの領域の学習は、ステップごとに1回ですが、ステップが進むごとに、だんだん難しくなるように配列してあります。そうした「らせん型カリキュラム」の構造になっていて、それ以前に学習したことがきちんと理解できているかどうかは、次回の学習時に点検できるような仕組みになっています。このらせん型カリキュラムこそが、基礎から応用へと続く学習の順序性を表しています。いきなり「過去問」に取り組ませるような、基礎も応用もないような学び方だけは避けなければなりません。子どもたち自身が試行錯誤して獲得した「考える力」は、入試に対応するだけでなく、将来の学習活動の基礎になっていきます。これから受験準備を始める方へぜひお願いしたいのは、過去問トレーニングは年長の5月連休明けからで十分間に合いますし、逆にそれまではできるだけ事物を使った学習に専念させるべきです。その順序を間違えると、「考える力」が十分身についていないために、一度やった難しい問題はできるけれども、新出の基礎的な問題に対応できないという逆転現象が起こります。そうしたことにならないよう、スタートする時にこそ、1年間の学習計画をしっかり立てる必要があります。

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