週刊こぐま通信
「室長のコラム」基礎段階最後の授業です
第426号 2014/2/28(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

「ステップ3」の授業とトレーニングが終わり、2月23日には、「第3回ステップ別発達診断テスト」が行われました。授業で学習したことがどれだけ身についているかを診断するためですが、こうしたテストを通じて現在の理解度をチェックし、家庭学習の方針を決めていきます。
さて今週から、基礎段階最後のステップである「ステップ4」の授業が始まりました。ステップ4の学習課題は、以下の通りです。
第19週 | 未測量 | シーソー・言葉による関係推理 |
第20週 | 位置表象 | 四方からの観察 |
第21週 | 数 | 一対多対応(かけ算・わり算の考え方) |
第22週 | 図形 | 図形分割 |
第23週 | 言語 | 話の内容理解・昔話 |
第24週 | 推理 | 並び方の法則性・回転推理 |
特に今回は、「シーソー」「関係推理」「四方からの観察」「一対多対応」等、最近の入試で良く出されている課題をたくさん扱います。こうしたことも含め、入試問題の8割は、この「ステップ4」までの内容と関連があります。ということは、このステップが終了する5月の連休明け以降、相当量の過去問トレーニングが可能になってくるということです。昨年来、「過去問トレーニングにすぐに飛びつかないよう、基礎をしっかり固めてください」と言い続けてきた我々も、「5月以降は、過去問トレーニングを積極的に取り入れてください」と言わざるを得ません。基礎を固めるまでに半年を費やしてきたわけですが、この取り組み方こそ、系統的に基礎学習が積み上げられ、無理なく応用段階に移行できる方法です。その意味で、基礎が何もできていない最初の段階から過去問トレーニングを、しかもペーパーのみで行うことがどれだけナンセンスなことか、お分かりいただけると思います。
内容が進めば進むほど、家庭学習の意味は大きくなります。そこで、「ステップ4」に関する家庭学習のポイントをお伝えする「第3回 お母さまゼミ」を、2月25日に行いました。ステップ4で学習する内容を詳しくお話しし、その課題に関する入試問題を取り上げて、一体どんな能力が求められているかをお伝えしました。その後で、繰り返しトレーニングする必要のある課題をまとめた20枚の学習ボードの使い方を、一つ一つ説明しました。ここまで伝えれば完璧です。授業後の説明だけでは、家庭学習の仕方がイメージできない方にとっても、具体的な教材があれば、間違った方法で学習しなくてもすみます。そこがお母さまゼミの目的ですが、回を追うごとに参加者が増え、日常授業の進度を見ながら復習中心の家庭学習がしっかり行われているようです。今回扱った内容で、入試対策としてポイントとなる点を短くまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。
(1) シーソー | 四者関係が入試の基本。「一番重い・一番軽い」だけでなく「3番目に重い」「2番目に軽い」もわかるように |
(2) 言葉による関係推理 | 状況の述べ方と、設問の仕方の組み合わせで難易度が決まる |
(3) 四方からの観察 | つみ木の見え方を問う問題が最近の傾向 |
(4) 一対多対応 | 入試における数領域の難しい問題はすべてこの考え方に基づく。 つりあいや交換の考え方も、この一対多対応の考え方を応用する |
(5) 図形分割 | 図形構成 - 図形分割はセットで学習すべき |
(6) 昔話 | 入試問題でもよく扱われる。登場人物に関する理解を深めておくこと |
(7) 並び方の法則性 | 口ずさむ方法と、指送りの方法の両方を身につけること |
(8) 回転推理 | 回転はイメージするのが難しいので、まずは具体物を使って行うこと |
こうした点を踏まえた学習をしっかり行うようにしてください。