週刊こぐま通信
「室長のコラム」入試結果報告会
第416号 2013/12/13(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

12月8日の日曜日、午前・午後と2回にわたり、2014年度私立小学校入試の報告会を行いました。午前午後とも満員で、1年後の入試に向けた保護者の皆さまの意気込みを肌で感じました。今回は、すでに集めた資料に基づくセミナーでしたので、まだ十分に聞き取り資料が集まっていない学校もありましたが、今年の受験生から直接聞き取った一番新しい情報をお伝えする貴重なセミナーでした。今回は次のような内容で、入試の現状をお伝えしました。
- 2014年度 入試結果報告会 「私立小学校入試総括」
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日時 : 2013年12月8日(日) 10:00~12:00/14:00~16:00
講師 : こぐま会代表 久野泰可 (行動観察・面接について:廣瀬亜利子)
内容 : 1. 日程
2. 合否判定
3. 学力考査 - 今年度の内容から分かる傾向と難易度 -
4. 行動観察 - 今年度の傾向 -
5. 面接の内容
私が担当した学力試験の分析では、今年の入試問題の傾向について具体的にお伝えしました。その中で私は、今年の入試の傾向を次のように分析しました。
- 昨年同様、入試問題は易しくなり、基本問題が多い
- その一つの表れか、「数」に関する問題が大幅に減り、数の総合問題として基本的な問題が出されるようになった
- 一時期出題されなくなった「点図形」が、今年は復活した
- 昨年復活した「四方からの観察」も、今年も何校かで出題されている
- 言語に関する問題も相変わらず多い。その中で「一音一文字」に関する問題や、「動詞の理解」に関する問題が多い
- 「話の内容理解」はどの学校でも重視されていて、話が長く設問も多い
・・・こうした変化の背景には、難しいことばかり詰め込み式で行う、今の受験勉強の方法に対する学校側の懸念がある。入学後の子どもたちの学力を追跡していくと、教え込みのペーパー学習では思考力は育たないし、それ以上に自ら考えようとする姿勢に欠けるという問題があると判断している。そのため、難しい問題ばかりを出して、受験勉強の激化に拍車をかけないように・・・という学校側の配慮がある。こうしたことは過去一度あり、その時は、ほとんどの学校でペーパー試験を廃止し、具体物やカードを使った試験を行った。
そして、こうした試験傾向の具体的な中味を紹介しながら、何が問われているのかを分析しました。
- 数の総合問題
(立教女学院小学校・横浜雙葉小学校) - 点図形
(聖心女子学院初等科・横浜雙葉小学校) - 四方からの観察
(白百合学園小学校・光塩女子学院初等科) - ことばに関する問題
(立教女学院小学校・横浜雙葉小学校・聖心女子学院初等科) - 話の内容理解
(白百合学園小学校) - 新しい形の問題
(聖心女子学院初等科・雙葉小学校)