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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

家庭学習のための勉強会

第384号 2013/4/19(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 4月13日の夜、第2回目の「お父さまのための土曜ゼミ」が行われました。今回は、併願校対策についての話と、基礎段階の学習が終えたことを踏まえて、今点検すべき基礎的な事項について具体的にお伝えしました。懇親会の席で、多くのお父さま方から質問を受けましたが、その中で一番話題になったのは、お母さまが深刻になりすぎて、子どもに勉強をやらせ過ぎているのではないかという懸念でした。お父さまが意外と冷静な目で、子どものことも考えながら毎日の母子関係を見ている様子がうかがえます。感情的な母子関係では学習はうまくいくはずはないと、冷静に分析するまでは良いのですが、ではどうしたらよいのか、その方法を持ち合わせていないため、黙って見ているのが現状のようです。

家庭学習の方法が解らないために、子どもの成長の芽を摘み取ってしまっていることは、毎年多く見受けられます。だからこそ、授業が終わった後15~20分かけてその日の授業内容と家庭学習の課題を伝えているのですが、それでも具体的な問題になるとどうしたらよいかわからないのが現実のようです。そのため、こぐま会では授業と連動した家庭用教材を毎月お渡ししていますが、その使い方になると千差万別で、効果的な使い方ができているご家庭が多いかというと、多少疑問な点も見受けられます。その最大の原因は、子どもの考えるプロセスを大事にしないで、結果だけを問題にしてしまうからです。

長い間受験指導に携わってくると、結局最後は「家庭学習の在り方」が合否を決めているように思います。どんなにたくさんの講座を取っても、どれだけたくさんのおけいこに通わせても、それよりも大事なことは、どれだけ正しく、深く、継続的に家庭での学習ができているかどうかということです。この点に着目した受験対策を考えないと、時間をかけている割に効果の上がらない受験対策をしていることになります。幼児期の学習は人任せにしないで、家庭で解決するという考え方にまず立たないと、問題は何も解決しないと思います。教室での授業は家庭学習の羅針盤的役割を果たすべきで、決して子どもの学力のチェックだけをするところであってはなりません。授業で体験したことを家庭で繰り返し、しっかりとした認識まで高めていくという方法が必要です。

こうした家庭学習の重要性を具体的に実践するために、今年は「お父さまのための土曜ゼミ」だけでなく「お母さまゼミ」と「学校別 合格のための勉強会」を企画しました。今週は、13日(火)に「お母さまゼミ」を行い、18日(木)には「聖心合格のための勉強会」の第1回目を行いました。

4月18日 聖心合格のための勉強会
「第1回 基礎学習を終えた段階で、解決しておくべきこと」
1. 10年間の出題内容の分析
2. 領域別 良く出されるテーマとその解決法
3. 今の段階で徹底しておくべきこと
未測量言葉による関係推理
位置表象地図上の移動/追い越し追いつき
私は誰でしょう/数の構成/一対多対応の応用
図形図形構成/対称図形/広さくらべ
言語しりとり/言葉つなぎ
その他運筆練習/理科的常識
4. 過去問を使って基礎を鍛える 入試問題を教材化する
(1)2005年 言葉による四者関係
(2)2007年 地図上の移動
(3)2009年 私は誰でしょう
(4)2012年 数の構成
(5)2013年 一対多対応と交換
(6)2013年 図形構成
(7)2011年 線対称
(8)2013年 広さくらべ
(9)2012年 しりとり
(10)2011年 言葉つなぎ
(11)2008年 運筆練習
(12)2012年 運筆練習
(13)2010年 理科的常識

過去問を使った効果的な勉強法を伝えるために、過去問を徹底して分析し、特別教材を用意し、それを実際に使いながら指導法を伝えるものです。たくさんの量のペーパーをこなすのではなく、典型となる問題を深く掘り下げ、どんな聞かれ方をしても答えられるように、また、答えの根拠を自分の言葉で説明できるようにしなくてはなりません。そうした意味で、ペーパーの量を問題にする今の受験対策は、大きな誤りを犯しているということです。訓練で身についた機械的な反射能力は、今の受験では求められていません。「考える力」が求められる今の入試には、一つの問題を深く掘り下げ、子ども自身に考えさせる学習が大事です。家庭学習は基本的には一対一の学習です。だからこそ、どこまで解って、どこから解らなくなっているかがつかめるはずです。その良さを生かした学習をすべきです。ペーパーを何枚こなしたか、ではなく、ペーパーで問われている内容をどこまで深く理解したかという発想の学習が大事です。

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