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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

お父さんも頑張っています

第378号 2013/3/1(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 2月23日の夜、今年度最初の「土曜ゼミ」が開かれました。このゼミは4年ほど前から行ってきていますが、受験生のお父さま方に、正確な入試情報と父親の役割について具体的に伝えるための勉強会です。今回は最初の集まりでしたので、入試の現状を伝えることを目的に、以下のような内容で行いました。

<お父さまのための土曜ゼミ>
小学校受験を正しく理解する 「第1回 小学校受験 父親としての役割」
2013年度入試の総括
1. 問題の傾向はどう変化したか
2. 合否判定はどう変化したか
3. こぐま会からの合格者数について
今後の学習の進め方
1. 入試問題の傾向
2. これからの入試対策
3. 間違った受験対策にならないように
合格体験談
土曜ゼミOB会のお父さまより、父親として受験にどう関わったのかを振り返っていただきます

最近の入試では、「父親の子育て参加」が求められています。子育ての総決算として入試をとらえている学校が多いため、当然のことです。しかし現実には、家庭学習はほとんどが母親任せであり、入試に関する情報も父親はほとんど持てない状況です。大事な学校選択も母親任せになることが多く、時に入試そのものに対して父親が反対し、非協力的になる場合も少なくありません。こうした状況が起こる最大の原因は、小学校入試に関する情報が父親にほとんど届いていないということです。子どもの将来を見据えた小学校受験を考えると、やはり父親に正確な情報を持ってもらわないといけません。それが、この「土曜ゼミ」を開く最大の理由です。

入試の現状を資料に基づいて伝えた後、実際に出された最近の入試問題を3問ほど解いてもらいました。予想以上に難しい入試問題に、皆さん驚いていました。機械的なトレーニングでは解けない、「考える力」が必要な問題ばかりであるということは良く理解していただけたと思います。その上で、どのように学習を積み上げていくのかをお伝えしました。また、セミナーの最後に、昨年秋に入試を受け、今年4月から小学校に入学する卒業生のお父さまにもご参加いただき、経験談をお話ししていただきました。実際に受験された卒業生の方の体験談には、皆さんとても関心を持たれたようで、「自分はそこまでできないけど、明日から少し気持ちを入れ替えてやらなければだめだ」という感想を多くのお父さま方が持たれたようでした。紹介された娘さんと続けた交換日記は、受験が終わった今も続いているようです。忙しいお父さんが、子どもとどのようにコミュニケーションをとるか・・・参加されたお父さんの中には、卒業生の方の実践を参考に、子どもとの交換日記をはじめられる方もいるかもしれません。

セミナー終了後の懇親会では、一人ずつ自己紹介を兼ね、受験に対する今の想いをお話しいただきました。今回の土曜ゼミに、自ら積極的に参加されたお父さまもいらっしゃいましたが、多くの方々は、お母さまに勧められたり、強制的にチケットを渡されてしぶしぶ参加されたようです。毎年そうですが、この会に参加される最初のきっかけはそれぞれ違いますが、回を追うごとにお父さま方の関心も高まり、特に、願書・面接等、ご自身に関係があるものがテーマになる時期には、相当の高まりが見られます。数年前までは、父親の役割は、「母親の暴走」を食い止めるために・・・ということを強調していたように思いますが、今では「父親の子育て参加」を促すために、こうしたセミナーで正しい学習法を伝えないといけないと思っています。

毎年、懇親会では父親同士の交流が深まり、自分の役割を確認されるお父さま方も多いようです。また、同じ目標に向かって頑張るこうした集まりに意味を見出す方も増えています。私は懇親会の席で、「小学校の入試は、幼児期の基礎教育の最大の動機づけになるけれども、やり方を間違えると、子どもの成長の芽を摘み取ってしまい、学ぶことが嫌いな子どもにしてしまうことにもなりかねないので、ぜひ正しい受験対策をしてください」とお願いしました。これまでの経験からも、保護者の皆さんが熱心に家庭学習を積み上げていけばいくほど、合格に近付くという事実を見てきていますので、子どもの頑張りのみならず、小学校受験は、家族一体になっての取り組みが大事だということを痛感しています。今年から、「お母さまゼミ」も始めました。また、学校別の勉強会も準備しています。「家族一丸となって取り組む小学校受験」を実現するために、今年は新しい試みをいろいろ企画し、実行していくつもりです。

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