週刊こぐま通信
「室長のコラム」1年後の入試を目指して、新たなスタートを
第362号 2012/11/2(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

神奈川の合格発表も終わり、昨日から都内の私立小学校の入試が始まりました。今年は、新設校の開校や入試日程の変更などで、昨年までとは少し変わった点が見られるかもしれませんが、今年の入試がどのように行われたかは、合格者の発表があり、聞き取り調査が終わった段階で、具体的な資料に基づいて順次報告していくつもりです。入試直前の10月30日まで補習を組み、最後のまとめをして受験生を送り出した私たちですが、11月6日からは、来年秋に受験する子どもたちの授業がスタートします。やっと送り出したと思った矢先、休む暇もなく新受験生の授業のスタートです。9月~10月は、日曜日も返上しての受験対策でしたが、それが終了したと同時に新規クラスがスタートし、受験を指導する側も相当の体力が必要だと痛感しています。
新しいクラスのスタートに先立ち、10月30日に「これから1年間の受験対策」と題した会員向けオリエンテーションを行いました。その内容は以下の通りです。
- ばらクラス オリエンテーション
「これから1年間の受験対策」 - ばらクラス (セブンステップスカリキュラム)
- 年間学習予定
ステップ1~4(基礎段階) ・・・ 4月末まで
ステップ5~6(応用段階) ・・・ 7月夏季講習会前まで
夏季講習会(過去問・難問特訓)
ステップ7(入試直前対策) ・・・ 10月末まで
- 年間学習予定
- 入試対策
- 通年クラス
学校別対策クラス / 行動観察対策クラス / 手先の巧緻性クラス / 絵画・製作クラス
ステップA(基礎I) ・・・ 4回(11月~12月)
ステップB(基礎II) ・・・ 8回(1月~3月)
ステップC(応用I) ・・・ 8回(4月~5月)
ステップD(応用II) ・・・ 8回(6月~7月)
ステップE(直前演習) ・・・ 8回(9月~10月) - 単科クラス
ひまわり会 / 個別指導
- 季節講習会
冬季講習会 / 春季講習会 / 夏季講習会
- 学力チェック
基礎学力総点検 ・・・ 5月連休中
応用学力総点検 ・・・ 8月集中授業時 - テスト
ステップ別発達診断テスト ・・・ 各ステップ終了時(必修)
公開実力テスト ・・・ 年5回(希望者のみ)
学校別模擬テスト ・・・ 年4回(希望者のみ)
個別学力診断テスト ・・・ 随時(希望者のみ)
- 通年クラス
- 保護者向け 入試対策関連講座
- 母親講習会 (教室授業と連動した正しい学習と生活について)
全6回
- 個人面談
進路相談 ・・・ ステップ別発達診断テスト終了時
学習相談 ・・・ 随時 - 土曜ゼミ(父親のための勉強会)
全5回
- 願書・面接対策講座
6月~10月
- 母親講習会 (教室授業と連動した正しい学習と生活について)
来年秋の合格を目指し、正しい考え方で入試対策を進めていただくためのセミナーでしたが、授業開始に向けた皆さんの意気込みも強く感じられ、大勢お集まりいただきました。この中で私は家庭学習のあり方について、以下のようなことを強調しました。
- 子どもの成長を信じ、あせらない
- スタートの段階から、過去問に取り組ませるようなことはしない
- はじめて学習する単元を、最初からペーパーのみで行わない
- 体を使って経験をさせ、手を使ってものごとに働きかける試行錯誤をさせ、最後にペーパートレーニングで点検し、すそ野を広げる・・・その3段階の学習法で、子どもの理解の道筋にあった学習を心がける
- 基礎学力を5月連休までに固め、夏休み前までに、応用段階を含めて新出課題はすべて修了させる
- 夏は、難しい過去問に挑戦させる
- 9月・10月は、すべての学習を踏まえ「総合演習」として、実際の入試を想定したトレーニングを積み、入試本番に備える
- 受験はその徹底さにおいてこそ合格を勝ち取れる。頂上を目指す信じた道を徹底して登りきること。同時に2つの道を登ろうとしたら、一番困惑するのは子ども自身。周りの噂話、雑音に惑わされないで、信じた道を徹底する。その意味で計画性を持った家庭学習はどうしても必要である
- 会員の皆さんの学習計画は、毎週の授業の復習を徹底することで見通しはつけられる。(さまざまな理由で教室に通えない方は、「ひとりでとっくん365日」の進度に従って学習することによって道筋はつけられる)
- 小学校受験は、家族一丸になっての取り組みが必要。子どもだけでなく、保護者もいろいろ学んでいただきたい。正確な入試情報を得ること。子どもはどこでつまづくか知っておくこと、どのように指導すれば子ども自身の力となって身についていくか・・・そうしたことを学ぶ機会として、母親講座・土曜ゼミ・連続セミナー等が用意されているので、それを活用していただきたい。
教室での授業と家庭学習が連動しなければ、効果は上がりません。週1回の基本クラスの授業を核として、家庭学習や保護者の学習が進むことによってこそ、合格を勝ち取れるのです。面接や行動観察が重視され、学力だけで合否が決まらない小学校入試ですから、家庭生活や躾を含めた家庭教育のありようが問われています。「勉強だけできればよい」という考え方を学校側はしていない・・・ということだけはしっかり認識しておく必要があります。