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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

入試本番を一番良いコンディションで迎えるために

第353号 2012/8/31(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 7月16日から始まった夏の講座のすべてが、8月31日に終了しました。連日猛暑の中を、子どもたちは元気に教室に通い、たくさんの課題に取り組みました。難しい問題や過去問に挑戦し、子どもたちも大変苦労した夏だったと思いますが、この頑張りが秋に必ず生きてくるはずです。答えの根拠を説明することも、暗算で10以内の数の操作もできるようになりました。難しい「交換」や「数のやりとり」の問題も具体物を使ったトレーニングで理解できました。「観覧車」に代表される回転推理の問題も、なぜ逆回りに数えるのか、その理由もしっかり説明できるようになりました。旅人算の基礎となる「飛び石移動」の問題や、消去算の基礎につながる同じものを消去する方法も、きちんとした理由付けを伴って理解しています。問題を解く方法も、必ずしも一つでないことも理解し、自分と異なった友だちの意見や解き方にも耳を傾けることができるようになりました。じゃんけんを使った「数のやりとり」や「階段の上下運動」も、約束をしっかり守って作業できるようになり、「地図上の移動」も目で追いかける方法が身についてきました。こうした、夏の経験を秋の入試本番に繋げるためにも、最後の2カ月間の過ごし方が重要となります。

例年みられる「9月病」に陥らないよう、健康管理と人間関係におけるコンディション作りが大事です。「9月病」と呼ばれる変化の特徴は、
  1. 夏の反動でやる気をなくす
  2. その結果、今までできていた問題を間違える
  3. 評価を極端に気にするようになり、出来 - 不出来に敏感になりすぎる
  4. 学習面におけるプレッシャーの影響で、落ち着きがなくなり行動面で荒れやすくなる
  5. 笑顔が消える
  6. 問題を難しく考えすぎ、基本問題ができなくなる
  7. 極端な例として、チック症状がみられたり、お手洗いに行く回数が増える
こうしたことが起こらないよう、以下のような点について最大限の配慮をしてください。

(ア) これから入試本番まで、生活のリズム・学習環境を変えない
(イ) 難しい問題のトレーニングは9月中旬までとする
(ウ) もう一度基本に戻り、ものの考え方をしっかり確認する
(エ) 健康管理には最大限の注視を払う
(オ) 幼稚園や保育園を休んでまで勉強させるような、異常な生活はしない

夏の学習は、全体として難しい問題に偏りがちでしたが、これからは基本をもう一度確認し、自信を持たせることが大事です。これまでかけてきた何分の一かの時間で、基本のおさらいはできるはずです。その繰り返しの練習の中で、時間制限に対する対策、聞き取りミスをなくすためのトレーニングを行い、本番に備えます。人間関係においては、特に母子関係のあり方が子どもの気持ち、行動を左右します。母親に喜んでもらうために、子どもたちは一生懸命取り組みます。母親の一言が、その頑張りを支えるひと言になりえます。私たち教師もつねに励ましのチャンスを探しています。逆に何気ない一言で、子どもが自信をなくしてしまうこともありますので、最大限の配慮が必要です。これまでの成果を本試験で発揮するためには、入試直前の体と心の健康管理が極めて大事です。

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