週刊こぐま通信
「室長のコラム」入試速報(3) 「聖心女子学院初等科 38名合格の背景」
第317号 2011/11/25(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

今年の入試も、国立附属小学校の試験を残すだけとなりました。今年の私立小学校の受験者数はほとんどの学校で昨年を大きく下回ったようです。その意味で少数激戦の入試でありました。今年はどの学校も補欠合格者の繰り上げ合格が相当数あり、現在も続いているようです。この事態は国立附属小学校の発表が終わる年内いっぱい続くはずです。
さて、こぐま会から受験した生徒の合格者数は現在集計中ですが、11月24日現在報告のあった合格者の数は、以下の通りです。
「2012年度 私立小学校入試合格者数 (2011年11月24日現在)」
- 東京都
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学校名 人数 青山学院初等部 5 小野学園小学校 2 学習院初等科 5 暁星小学校 2 国立音楽大学附属小学校 1 慶應義塾幼稚舎 3 光塩女子学院初等科 8 晃華学園小学校 2 聖徳学園小学校 3 昭和女子大学附属昭和小学校 4 白百合学園小学校 5 聖学院小学校 4 成蹊小学校 3 聖心女子学院初等科 38 聖ドミニコ学園小学校 2 星美学園小学校 4 清明学園初等学校 1 田園調布雙葉小学校 5 東京女学館小学校 31 東京都市大学付属小学校 3 桐朋学園小学校 1 東洋英和女学院小学部 7 トキワ松学園小学校 2 日本女子大学附属豊明小学校 10 雙葉小学校 5 宝仙学園小学校 2 むさしの学園小学校 1 目黒星美学園小学校 7 立教小学校 1 立教女学院小学校 12 早稲田実業学校初等部 1 - 神奈川県
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カリタス小学校 7 湘南白百合学園小学校 1 聖ヨゼフ学園小学校 4 洗足学園小学校 3 桐蔭学園小学部 2 桐光学園小学校 1 森村学園初等部 2 横浜雙葉小学校 8 - その他の県
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浦和ルーテル学院小学校 1 国府台女子学院小学部 2 さとえ学園小学校 2 西武学園文理小学校 5 星野学園小学校 1
2011年11月24日現在の合格者数です。
こぐま会卒業生よりご連絡をいただき、集計した数(4カ月以上在籍し、定期的に授業を受けた生徒のみ)を掲載しています。
※上記( )内に該当しない、テスト会員・書店会員・季節講習会受講生は含みません。
※補欠合格者を含みます。
※学校名は50音順です。
こぐま会卒業生よりご連絡をいただき、集計した数(4カ月以上在籍し、定期的に授業を受けた生徒のみ)を掲載しています。
※上記( )内に該当しない、テスト会員・書店会員・季節講習会受講生は含みません。
※補欠合格者を含みます。
※学校名は50音順です。
今年は、こぐま会からの受験者数も昨年と比べるとやや減少し、4カ月以上在籍して学習を続け、合格者数にカウントできる対象の受験生は約180名ほどでした。その180名の受験者の合格結果が上記速報値です。他塾と違い、こぐま会は1回だけ模擬テストを受けたり、講習を受けたりした受験生はカウントしていません。ましてや、友だちの名前まで借りて合格者にカウントするなど、もってのほかだと考えています。これまで5カ月以上在籍した生徒をカウントの対象としたものを、4カ月以上に修正したのは、最近の傾向として「短期集中」で受験対策をしようと途中入会するご家庭が増えたからです。
女子校を受験する生徒が多いこぐま会の今年の受験傾向は、今まで30~40名ほど受験していた雙葉小学校の受験者が半分以下に減った事です。その代わり、聖心女子学院初等科、日本女子大学附属豊明小学校、白百合学園小学校等を受験しています。その結果、今年は聖心女子学院初等科に38名の合格者を送りこみました。これは、こぐま会にとって過去最高の数字です。また、例年30名を超す東京女学館小学校にも、AO・一般合わせて31名の合格者を送りました。他校については、増えたところもあり減ったところもありますが、受験者数の増減がそのまま合格者数に反映するのは当然のことです。
国立の受験が終わった段階で会員全体の合格率を公表する予定ですが、今年は予想以上の結果が出ています。それは、家庭と連携し、「事物教育」と「対話教育」を実践し、子どもたちを正しく導いた結果の数字だと信じています。また、最近重視されている行動観察対策クラスにおいては、1年間続けて受講した50名のうち、実に47名が聖心を中心に合格しました。形を教え込まない、「自分自身で考え行動する」経験を積む講座の方針が正しかった事を証明しています。
聖心の合格者が増えた背景には、(1)受験者そのものが増えたこと。 (2)問題がより難しくなることを予想し、過去出題された問題を徹底して分析し、新しいカリキュラムで学校別対策クラスを行ったこと。(3)新しい傾向の問題が形を変えて続けて出される事を予想し、類似した他校の問題を研究して予想問題を考えたこと。その結果、今年出された「模写の課題」「同じ値段を探す問題」「しりとりの問題」など、予想通りでした。(4)行動観察で求められる集団活動の経験を繰り返し行ったこと。その際、絶対に形を教え込まない事を徹底したこと。(5)ひとつひとつの作業を丁寧に行うことを繰り返し伝えたこと。
こうしたことが大量合格につながったのだと思います。全体として問題が易しくなっていく傾向にあって、聖心の問題は実に工夫された良い問題を出し続けています。中学入試を廃止し、4・4・4制を敷いた学校側の意気込みが感じられる入試でした。聖心を始め、今年の入試がどのように行われたかをお伝えする「2012年度 入試結果報告会」を12月18日に行いますので、ぜひご参加ください。