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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

夏の合格対策 80のチェック項目(1)

第299号 2011/7/1(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 7月に入り、11月の入試まで残すところ4カ月となりました。受験生の皆さんは基礎学習を終え、ほとんどの領域で難しい応用問題に取り組んでいることと思います。入試対策にとって最大のヤマ場になる「夏休み」をひかえ、効果的な対策を講じるために生活プランの設計や学習計画の立案等、しっかり準備しなくてはなりません。先日の第19回 連続講座では、夏休みの活用法を具体的にお伝えしましたが、その中で夏の学習対策として次の3つのことを実行するようお願いしました。

  1. これまで学習してきたことの総点検。特に「基礎学力」がしっかり身についているかどうかをチェックする
  2. 過去問や予想される難問にチャレンジする
  3. 入試本番を一番良い精神状態で迎えるために、9月~10月に子どもに起こるマイナス要因を未然に防ぎ、常に物事に前向きに取り組む自信を身につける

この中で、まず行わなくてはならないのは「基礎学力の総点検」です。会員の皆さんは、夏の家庭用教材としてお配りする「基礎学力点検ボード」を活用し、何度も繰り返すことで各単元の基礎がどう身についているかをしっかり診断してください。この「基礎学力点検ボード」は夏の間繰り返し使い、その後、入試直前2週間の学習にも再び使用します。そうすることによって、短時間で全ての領域のおさらいができる、とても大事な教材です。昨年からは「応用学力点検ボード」も過去問を参考に作成しました。これは、SHOPこぐまのみの限定販売にしましたのでどうぞ活用してください。

ところで、基礎学力や応用学力を点検する項目をしっかりと打ち立てておかなくてはなりません。セミナー当日にお配りしたものに少し手を加え、「夏の合格対策 80のチェック項目」として整理しましたので、ぜひ活用してください。これから2回にわたり、領域別に本当に理解しているかどうかを点検する項目をお伝えします。この項目に沿って家庭学習でチェックし、まだ十分理解できていない単元を繰り返し学習してください。そのために、学習内容に対応する「ひとりでとっくんシリーズ」問題集も併せて紹介しますので、活用してください。

未測量の点検項目

学習内容対応するひとりでとっくん
1大きさ、多さ、長さ、重さの相対化・系列化ができる49.量の系列化
2単位の考え方が理解できる64.単位の考え方
3シーソーによる3・4・5者関係が理解できる12.シーソー
4言葉による3・4者関係が理解できる34.関係推理
5大きさと長さなどの順対応ができる80.順対応
6逆対応の考え方が理解できる37.逆対応
7重さの一対多対応が理解できる43.つりあい
8つりあい、交換の考え方が理解できる43.つりあい
9水、紐、形()などを2~4等分できる33.等分
10量の保存が理解できる61.量の保存
未測量領域では、シーソーによる関係推理やつりあいの問題がよく出されています。また、「順対応」や「逆対応」といった「系列化」の応用問題も良く出されます。特に「逆対応」の問題が間違いやすいので要注意です。「つりあい」や「交換」は、数における一対多対応の考え方も活用しなくてはなりません。特に、最近は「交換」の問題が多くの学校で取り上げていますので、しっかり学習してください。

位置表象の点検項目

学習内容対応するひとりでとっくん
11生活空間における位置関係が理解でき、位置を正しく言語化できる
12上下・前後・左右関係の相対化・系列化ができる
13方眼上の位置の対応ができる(置き換えも含めて)4.位置の対応
14自分だけでなく、他人の右手左手、右足左足が理解できる30.みぎ・ひだり
15いろいろな迷路がスムーズにできる7.迷路
16指示された方眼上のひとつの位置を探したり、指示された場所を言語化することができる57.方眼を使って
86.方眼上の位置と移動
17方眼上を指示通り移動することができる86.方眼上の位置と移動
183×3方眼上の位置を記憶できる83.3×3方眼上の記憶
19地図上の移動ができる44.地図上の移動
20四方からの観察が理解できる21.四方からの観察1
92.四方からの観察2
位置表象の学習は、左右関係の絡む課題がポイントです。その中でも「四方からの観察」や「地図上の移動」が難しい入試問題の中心になります。自分以外の人の右手 - 左手や、交差点での左右の曲がり方などをしっかり身につけ、いろいろな問題にあたる必要があります。方眼を使った課題には、「方眼上の位置」と「方眼上の位置移動」の2つがありますが、数え方で混乱が起こらないようしっかり区別できるようにしてください。また、最近方眼の性質(縦軸と横軸)を利用した応用問題が工夫されていますので、練習課題に取り上げてください。

数の点検項目

学習内容対応するひとりでとっくん
21具体物に即して30くらいまでの具体物を正確に数えたり、指示された数だけ取ることができる10.同数発見
16.分類計数1
17.分類計数2
222つの数の違いがわかる、~より~多い(少ない)数が理解できる5.数の多い少ない
23具体物、おはじきの2~4等分ができる(余りのあるものも含め)33.等分
24一対多対応、包含除の考え方が理解できる35.一対多対応
255~10までの数についてその構成を理解できる38.数の構成
26方眼を使った10の構成ができる57.方眼を使って
27お話を聞いて、2段階変化する数の増減ができる46.数の増減
28約束による数の増減ができる46.数の増減
292者の間での数のやりとりが理解できる62.数のやりとり
30暗算により数の総合問題が解ける93.数の総合問題
31一対多対応と多少などの数の複合問題が解ける63.数の複合
32観点を変えた仲間集めができる84.仲間集め
33なぞなぞ、私は誰でしょうが解ける90.私は誰でしょう
34仲間はずれを探し、その理由を正しく言語化できる29.仲間はずれ
352つのものを比べ同じ所、違う所を言語化できる(二者の異同)84.仲間あつめ
数に関する課題は、小学校で学ぶ四則演算へのつながりを考えれば、何を学習すべきか良く理解できるはずです。たし算・ひき算につながる内容をよく出題する学校と、かけ算・わり算につながる内容をよく出す学校と、ある程度その学校の傾向はあるようです。特にかけ算の考え方につながる「一対多対応」の考え方は、他の数の操作と絡んで「複合問題化」するケースが増えていますので、考え方をしっかり身につけなくてはなりません。その他、最近の傾向を踏まえ、数の学習を進めるにあたり気をつけるべき点を列挙します。

  1. 「話の内容理解」の中で、数の操作に関する問題が増えています。そのため、ある程度の暗算能力がないと対応できません。指や具体物を離れ、数の操作を頭の中でできるトレーニング(数の内面化)を必ず実行してください。
  2. 一場面の絵を使って、3~4つの違った数の操作を求めてくる問題が増えています。問題の意図を正確に聞き取る練習が必要です。
  3. 話によって場面の数を変えてしまい、その変わった数の状態で新たな問題を出す学校が増えています。場面があるから大丈夫としてしまわないで、常に話の内容を理解し、その質問に正確に答えられるよう、聞き取りの練習をしっかりしてください。
  4. 「交換」「数のやり取り」など最近よく出る問題を論理的に解決できるよう、時間をかけて繰り返し練習してください。

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