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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

予想問題を的中させる方法

2005/09/22(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

入試が近づくと、大勢の受験生が模擬テストを受け、その結果に保護者は、一喜一憂しています。いろいろな塾の模擬テストの結果を持って、相談にみえる方が増えていますが、実際の模擬テストの内容や評価法を見ると、とんでもなく難しい問題や、絶対にありえない評価方法で点数をつけ、受験生の父母を混乱させています。そして、点数の取れなかった子の親に「直前講座にいらっしゃい」と勧誘する、どこかで見覚えのある霊感商法的な方法で生徒集めをするといったやり方が横行しています。私は、そうした事実をたくさん見てきたからこそ、入試問題を出来る限り正確に集め、公表してきたのです。どこまで問題を難しくして練習すればいいかは、実際の入試問題を分析し、何が求められているのかをしっかり把握して考えるしか方法はありません。

ところで、こぐま会では毎年予想問題を考え、入試直前二ケ月間でトレーニングしていますが、毎年相当数の問題が的中しています。それは、過去6年ぐらいの問題の流れを見ると大体予想できるのです。また最近では、私たちが受験とはまったく関係なく考えた、幼児期の基礎教育として重要な課題が、多くの学校で取り上げられています。たとえば「一音一文字」に関する問題などはその典型です。また、こぐま会の中心的な教材である「ひとりでとっくん」シリーズの中から、盗まれたのではないかと思われるくらい類似した問題が出ています。きっと問題を作成する小学校の先生方も、問題作りにたくさんの資料を集めているのでしょう。「ショップこぐま」には、出題頻度ランキング表なるものを掲示していますが、予想問題を考えるのに、このランキング表は大変参考になります。

そしてもう一つ重要なことがあります。それは、問題を作成する者の気持ちを察することです。きっと、今まで出されたような問題は出したくない・・・何かしら工夫して出題し、本当の意味で考える力が備わっているのかを見てみたい・・・・・と考えているはずです。そのとき、とる方法がいくつかあることが、私たちの分析でわかっています。

  1. 余分な要素を入れて、難易度を高める (パズル・シーソーなど)
  2. 質問の仕方を工夫する。たとえば逆思考に象徴されるような、時間的経過を戻したり、逆から聞いたりする (数における逆思考など)
  3. 条件をつけて考えさせる (条件しりとりなど)
  4. いくつかの考えを複合させ、問題を難しくする (数の複合問題・重ね点図形など)
  5. 二つ以上の観点を同時に持たないと出来ない問題を出す(数のやり取りなど)

こうした学校側の動きをしっかり把握してこそ、予想問題を的中できるのです。問題を難しくして、ほとんどの子どもが解けない問題を解かせるのではなく、上記した方法で問われても、答えていけるだけの柔軟な思考力を身につけさせることが大事です。

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