ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「室長のコラム」

これから受験対策を始める方へ

第257号 2010/8/27(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 来年秋の入試に向けて、年中児の皆さんの動きが活発になって来ました。そのためか、入会相談や体験授業に参加される方が増えています。1年間の準備教育を託すわけですから、慎重に塾選びをしてください。教室と家庭とが一体になってこれからの学習を進めるためには、指導方針を納得し、信頼してお子さまを預けられる塾選びをしなくてはいけません。どんな選択をするにしても、入試対策の基本は家庭にあるということだけは肝に銘じておいてください。教室に預ければそれでよしとしないで、家庭ですべきことはきちんと家庭で行い、家庭ではできないことを教育機関にお願いするという考え方をしないといけません。特に毎日の生活の中で身につけたことが問われる小学校入試においては、何事もお金で解決する「教育の外注化」は好ましくありません。長年の経験から、これから受験対策を始める方々に、正しい受験対策をするにあたってぜひお願いしたいこと、知っておいていただきたいことをここに掲げます。受験対策のスタート時点に立つ心構えとして、ぜひ参考にしてください。

  1. 正確な入試情報を持ち、噂話に振り回されない
  2. 小学校受験は特殊な訓練による準備教育は必要ない。年齢にふさわしい、まともな幼児教育をこそ、学校側は求めている
  3. 学校側は、教え込まれた子ども、形のみを訓練された子どもを好まない。考えるプロセス、物事を処理するプロセスが評価の対象になっている
  4. 学力においては、「知識」より「考える力」が求められている
  5. 行動観察では、これまでの家庭教育の結果としての「育ち」がみられている
  6. 意欲的で自立心のある子が求められ、受験勉強でつぶされた子ども・明るさを失った子どもは敬遠される

長い間受験指導に携わり、多くの子どもたちの合否を見てきた経験からはっきり言えることは、小学校受験は半分以上が「家庭教育の力で合否が決まる」ということです。毎日の家庭での経験が全ての基本になり、そのうえに集団教育で身につく「考える力」や「物事に取り組む意欲」などが加わって、その年齢にふさわしい成長・発達が実現できるのです。動物を調教するような発想の教室での訓練では、今の入試で求められている本物の学力・身に付いた行動力は残念ながら得られません。その意味で、どんな考え方で受験指導がなされるのかということは、とても重要です。小学校入試に関する情報が開示されていない現状にあって、間違った商業主義の受験対策で子どもの伸びる芽を破壊してしまわぬよう、留意してください。

受験指導や教育相談に携わっていて感じるのは、小学校入試に関する正しい情報が伝わっていないということです。学校側からほとんど入試に関する情報が開示されていない現状にあって、初めて受験される方は何を信じ、どう対策を取ったら良いのかわからないのは当然です。そこに間違った噂話が入り込むスキがあるのです。どんな考え方で入試対策に臨むのか、それぞれのご家庭で決めることですが、どんな方針で臨むにしても、入試の現状を正しく理解しておかなくてはなりません。その点が一番欠落しています。今年は11月の新学期が始まる前に、最新のデータに基づいた正しい受験対策のあり方をお伝えしますので、一貫した方針で1年間の学習が進められるようにしていただきたいと思います。10月までに5回の講座を設け、さまざまな角度から現在の小学校入試が持つ問題点を明らかにしますので、ぜひお聞きください。

PAGE TOP