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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

進級セミナーを終えて

第156号 2008/07/04(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 学校説明会が多くの学校で始まり、そのせいか、土曜日クラスの授業では欠席や振替えが目立ちます。今年受験される皆さんは、学校選択や面接等の準備のために、多くの学校に足を運んでいます。また、来年以降受験される皆さんも今後の学校選びの参考に・・・ということで、大勢参加されているようです。最近では、1回の学校説明会では収容しきれず、2回以上説明会を行う学校も増えてきました。

7月に入り、年長ばらクラスの皆さんは、「ステップ5」の授業が終了し、応用段階最後の「ステップ6」の授業に入りました。夏休みまでにすべての学習を終了し、9月・10月は、実践的な予想問題トレーニングを行います。また、7月14日からは、今年の入試対策最大の山場である「夏季講習会」が始まります。

一方、来年受験を迎える「ゆりクラス」の授業は、これまで力を入れてきた事物体験を踏まえ、11月から始まる「ばらクラス」の授業形態に慣れるための、個別作業を中心とした単元学習に力点が置かれるようになり、デスクワークが増えていきます。この、ゆりクラスの子どもたちの11月からのクラス決定に関する「進級セミナー」を6月18日から3回にわたり行いました。ばらクラスになると、週1回の基本クラス以外に、学校別指定校クラスや、表現・発表力クラス、こぐま絵画・製作クラス等受験対策のためのクラスが同時に始まります。授業日が重ならないようにするために、今のうちから通塾する日を確定しておかなくてはなりません。こぐま会では、担任を選ぶ権利をできる限り保護者の皆さんに持っていただくために、担任を事前に公表し、クラス決定をしています。11月から新規に入会する方々のクラスを決定する前に、ゆりクラスから進級される方のクラスを優先的に決定しています。今回のセミナーは、クラス決定をするためにさまざまな情報をお伝えする「進級セミナー」でしたが、その中で、「入試の現状と正しい学習の仕方」について、いくつかの観点でお話しさせていただきました。そこで強調したことは、次のようなことです。

  1. なぜ、小学校受験をするのか。その意識が相当変わってきている。「大学受験までを見据えた小学校選び」という観点で受験を考えている方が増えているようだ。その結果、志望する学校に変化が見られ、倍率が変わる可能性が高くなっている。
  2. 学校側もそうした保護者の意向をどのように受け止めるべきかを、学校方針との兼ね合いで検討し始めている。
  3. 学内で抱える問題をどう解決するかが、入試問題や合否判定の変化に絡むケースが多いので、今、その学校でどんなことが問題になっているのかを正確に受け止め、それを踏まえた入試対策を立てる必要がある。最新の学校情報や、入試問題をどこまで深く分析し、その対応が取れるのかが、合否を分ける重要なポイントになる。
  4. 補欠合格者の出し方に学校側は相当神経を使っている。それは、学校の評価につながるから当然である。合格を出しながら、辞退されることを避けるために、「第1志望の受験かどうか」の見極めに各学校が苦心している。そのため願書や面接の重要度が、これまでにも増して高まっている。第1志望校を早く決め、その対策を十分とらないと、どこにも合格できなくなる。
  5. 機械的なトレーニングで身につけた能力を見ようとする問題は、ほとんどなくなった。考える力を見ようとする問題が増えているため、事物教育を通して、試行錯誤し、自分で問題を解決させるような準備教育が必要である。間違った受験対策で子どもダメにしてしまわぬよう、保護者が正確な情報を持たなくてはならない。
  6. 子どもの発達について、専門的な理解をもたない指導者では、子どもの発達の芽は摘み取られてしまう。スパルタ教育で合格できた時代は終わった以上、まともな基礎教育こそが合格への近道である。基礎が何で応用が何かが分からず、カリキュラムもなく、過去問だけをトレーニングするような準備教育では、合格できないどころか、子どもをダメにしてしまう。
  7. 小学校受験の基本はやはり家庭教育・家庭学習にある。授業進度に沿って、復習中心の家庭学習を徹底することが一番大切である。焦って、事物経験のない課題をペーパー中心でやっても、決して身につかない。

以上のようなことを具体的にお話ししながら、ともかく第1志望校を早く決めていただくためにも、今年の学校説明会にできるだけ足を運ぶことをお勧めしました。また、情報が閉ざされがちな父親向けに、今年から「土曜ゼミ」を定期的に開催し、正確な入試情報と家庭学習のポイントをお伝えすることを約束しました。

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