週刊こぐま通信
「室長のコラム」年中からの正しい受験法について
第148号 2008/05/09(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

第4回女子校合格フェアの後半部は、4月27日に、恵比寿本校で行いました。27日は、学校別診断テストとセミナーを中心に行いましたが、その中でも、「合格者からのアドバイス」と題したセミナーには、欠席者もなく全員参加され大盛況でした。また、「子どもをダメにしない年中からの正しい受験法」セミナーには、来年以降受験される熱心な方々が大勢参加され、セミナー終了後も大勢の方から個別のご相談を受けました。
私が担当した「年中からの正しい受験法」セミナーでは、小学校入試の現状と問題点を分析し、特に合否判断にまつわる具体的な話をしました。また、1年半後の入試に向けて、どんな考え方で受験対策を進めたら良いのかなどをお伝えしました。これから入試対策を始める方の中には、「どのように学習を進めたら良いのか」、「塾をどのように選択したら良いのか」、「志望校はどのように決めたら良いのか」といった初歩的な問題で悩んでいる方が多く見受けられました。間違った受験対策の結果、合格に至らなかったケースや子どもが無気力になってしまい大変苦労したケースなどを具体的にお伝えし、ともかく「間違った受験対策」で子どもをダメにしないようその対策をお話ししました。私が伝えたかったことは、以下のような点です。
- 現在の入試は実力主義だが学力主義ではないことをしっかり把握すること
- 正確な入試情報をふまえて、冷静な判断をすること。噂や業者サイドの間違った情報に惑わされないこと
- 第1志望校をできるだけ早く決め、万全な対策をとること
- 最近の入試問題は、機械的なトレーニングでは対応できないため、考える力を相当高めておくこと。そのために、事物に働きかける「事物教育」をすべての学習の前提にすること
- 母子関係の在り方が、合否を左右するため、関係づくりには子どもの立場を理解した対応が必要なこと
- 父親の参加によって、家族全員で合格を勝ち取る環境をつくること
- 学習計画をしっかり立て、1年も前から過去問に取り組むような間違った学習をしないこと
- 塾選びについては慎重に検討すること。特に、幼児教育について専門的な知識と経験を持っている教師がいるかどうかをしっかり調べること。カリキュラムもなく、過去問を中心としたペーパーだけをこなすような塾は避けること
- 公開模擬テストの結果が、数値だけで返却されたり、子どもがどのように答えたかの記録も返却されないようなテストでは、あまり意味がないこと。また、テストの出来が悪いことを理由に、入塾を勧誘されるような塾のテストは受ける必要がないこと